素直によくいうことを聞くお子さんには注意が必要です。
「は?そんなわけないだろ。素直な子どもの方がいいに決まってるだろ。素直にいうことを聞かない子どもになんて育てたくねーよ」そうお思いかもしれません。ですが、これはマジです。
理由はシンプルです。素直な子どもは我慢をし過ぎてつぶれやすいからです。
外来ではストレスによるかもしれないなって思われるお子さんが受診してくることが少なくありません。そんなお子さんは頭痛や腹痛、下痢、嘔吐といった身体的症状を繰り返し訴えるのですが検査をしても原因がつかめません。
以前に、腹痛や下痢を繰り返していたスポーツ強豪校の高校生が来院しました。いろいろと検査をしましたが原因はつかめず、投薬で症状はやや緩和されましたがいまひとつ。最終的に部活動を止めることによって、症状はすっかり良くなったということがありました。
中学受験を止めたら症状が良くなったというお子さんもいました。
受診してくるお子さんの進路については口出しはできませんが、症状が出るまでに気づけるヒントをお伝えしたいと思います。「素直な子どもには要注意」です。
素直な子どもは期待に答える
お子さんをお持ちのご両親であれば子どもにはいろいろな期待をすると思います。ぼくもそうです。勉強や塾、スポーツなどいろいろとやらせます。
幼少期、低学年であればマジメな子、素直な子、おとなしい子どもは親や先生の期待に答えることができます。期待に答えて親や先生が喜ぶ顔を見るのが好きなんです。
もちろん、詰め込んでもそれをなんなくこなしていけるお子さんの場合には問題ないと思います。そのまま突き進んでください!
期待にこたえられない
素直に頑張るお子さんは小学校低学年のころまでは多分いけます。それはやらなければならない量が少ないからです。
ただ、学年があがるにつれて勉強量、塾の負荷、スポーツの負荷が増えてくると、容量オーバーになって、消化不良を起こしてしまうお子さんがでてきます。
素直な子ども反発
小学校低学年まで頑張っていたお子さんがある日から、「やりたくない、疲れた」と言い出します。親は今まで通りにやることが当たり前と思っているので戸惑います。
うちの子どもたちも小学4~5年生くらいから自我が芽生えて反発してきました。周りの勉強やスポーツができる子どもと自分を比較してして劣等感を感じたりもします。
親が思考をチェンジできるか
自分に対して素直な子、幼い子はすぐに爆発するから安心です。
最初のうちに、そこそこ頑張っちゃう子、我慢できちゃう子、素直な子が心配!
小さいうちは素直でもいけるけどそれがずっと続くと思わないことは超重要です。
うまくいかないと思ったらそれをごり押ししないこと。お子さんのメンタル面で軌道修正すること。キャパオーバーなことを続けないことです。続けると子どもが壊れます。不登校になったり、いろいろな身体症状を訴えたりします。
一度つぶれた子どもはなかなかもとには戻ることができません。
能動的な勉強を目指す
素直な子どもはわからないことがあったら親が説明すると納得してわかったと思い込んでさらに突き進みます。自分では問題意識がなかなか芽生えません。受け身な勉強、受動的な勉強になってしまいます。
勉強は受動的ではなく自分から進んで行う能動的な勉強ができるかが大切です。
能動的勉強というのは、本人が興味を持っていることを勉強することです。
塾の勉強はいろいろなコンテンツがありますが、それをこなしていく感じになってしまうので、どうしても受動的になりがちです。さらに、そこから子どもの興味や関心が広がっていければよいのですが。
まとめ
ママ大好きで認められたくて勉強し続ける時期はずっとは続きません。小学5年、6年生になったときに自分の足で勉強していけるようにしてあげれるとよいのですが、ぼくも道半ばです。
お子さんに自我が芽生えて、反発してきたときはご両親が思考を変えるタイミングかもしれません。