みなさん、「喘息」という言葉を聞いたことがありますか?
ぼくも診察中に「喘息と言われたことはありませんか」とご家族によく質問します。
では、ご家庭で喘息を疑う症状にはどんなものがあるでしょうか?
本日は、ご家庭で気づく喘息の症状について紹介します。
こどもの喘息の症状や特徴について
喘息らしい症状とは「主に息を吐く時に聞こえる笛のような高い音」です。
空気の通り道である気道が狭くなっているときに聞こえます(呼気性喘鳴とよびます)。
お子さんの口元で聴こえることもありますし、胸に耳をあてて聴こえることもある。小さな音だと聴診器を使わなければ聴こえません。
また、喘息では、夜間や早朝に起こりやすいという特徴もあります。日中受診して聴診しても肺の音は問題ないこともあるのです。
そして、気管支拡張剤が有効であることも喘息の特徴です。お手持ちにあるかもしれませんが、ツロブテロールテープやメプチンといったお薬が気管支拡張剤にあたります。このようなお薬を使うと症状が楽になるのであれば喘息の可能性があります。
「反復性喘鳴」が喘息の診断に重要な理由とは?
赤ちゃんでは風邪をひくだけでも一時的に喘鳴を来すことも多くあり、「一過性喘鳴」といい、喘息とは違う可能性があります。
そのため喘息の診断で重要視されているのは喘鳴を繰り返す「反復性喘鳴」です。
明らかな喘鳴を3エピソード以上繰り返し、治療薬(気管支拡張薬や吸入ステロイドなど)により改善する場合に喘息と診断します。
喘息の咳は気道過敏による【風邪の咳の違い】
年長児以上のの喘息では、早朝夜間の咳、走ったり笑ったりするなどで生じる咳嗽や呼吸困難が特徴です。
これを気道過敏といいます。
気道が過敏な人とは、気道に炎症(赤く腫れあがること)があり、さまざまな刺激(気温差、冷気、会話などの空気の出入り)に反応し、咳が出たり、気道が狭くなって呼吸困難が起きるヒトです。
風邪の咳では、寝てから咳こんで起きてしまうことが特徴です。
さいごに
喘息は主に息を吐く時に聞こえる笛のような高い音(喘鳴)が特徴的で、夜間や早朝に起こりやすく、気管支拡張剤が有効です。
診断にはその喘鳴を繰り返すこと(反復性喘鳴)が重要です。
.年長児の喘息では気道過敏があり、気道に炎症があるため、刺激に反応して咳や呼吸困難が起こることがあります。