先週からのクリニックの状況をお知らせします。
感染症については目立ったものはありませんでした。今週の月曜日から新型コロナウイルスは5類感染症に移行しましたが、診断例の増加はありませんでした(今週に入ってからは2名のみ)。ほかにはノロウイルスやRSウイルスの診断をパラパラと見かけるくらいです。
新入園児の風邪対策について
新学期が始まり、特に新入園児にはこの時期は試練が続いているのではないでしょうか?
風邪の原因微生物は、保育園でたくさんの子供たちが共有するおもちゃやスペースなどから簡単に広がってしまいます。
新入園のお子さんは、普段は家族と過ごしていたため、接している病原菌の数や種類は限られています。特に、第一子で兄弟がいない場合は、大人の家族だけで暮らしているため、子供がかかりやすい病気を持ち込むことはほとんどありません。
保育園や幼稚園に通い始めると、多くのお友達と接することになります。これまで出会ったことのない様々な細菌やウイルスにさらされるため、何度も風邪をひいてしまいます。
風邪は、鼻やのど、気管、気管支、肺など外気に触れる部分が炎症を起こしている状態をいいます。
原因の約90%はウイルスが占めており、残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。
風邪ウイルスの数は200種類以上あり、同じウイルスでもいくつもの型があり、それが年々変異します。そのため、一度感染したウイルスに対抗する免疫ができたとしても、次々に新しいウイルスに感染するため、繰り返し風邪をひいてしまいます。
子どもの場合は免疫を獲得していく途中の段階のため風邪を繰り返しやすくなります。
かぜ対策の基本とワクチン接種の重要性
かぜは、唾液や鼻水などに含まれるウイルスを介して人から人へうつる感染症です。感染している人には、できるだけ近づかないように気を付けたり、外出から戻ってきたらうがいや手洗いをすることが大切です。
鼻や喉の粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌に感染しやすくなるため、適度な室温や湿度を保つように心がけましょう。
疲れや睡眠不足、栄養不足によって免疫力が下がり、かぜを引きやすくなることがあります。健康的な生活習慣を心がけて、十分な睡眠をとり、栄養バランスの良い食事をすることも大切です。
打てるワクチンは必ず打ちましょう。ワクチンは、感染症にかかるリスクを減らすことができます。