本日は「受診前にメモを活用して、ぶっつけ本番のプレゼンテーションを避けよう」という話です。
病院を受診するヒトに伝えたい内容です。
私たちは日常のいろいろな場面でプレゼンテーションをすることがありますよね。
ヒトに何かを伝えることはヒトによってはとても難しいと感じているヒトも多いのではないでしょうか?
ぼくが苦手で、かつ、頻繁にしなければならないプレゼンテーションの一つは緊急時に患者さんを大きな病院に紹介するときです。
ある程度の型は決まっています。患者さんの主訴、主訴と経過、持病、アレルギー情報、どのような検査をしてどのような結果で、どんな病院を疑っているか、相手方の先生に何をして欲しいのか、入院は必要なのかどうかなどを伝えていきます。
たいていの医師はとても忙しいので短時間で的確に情報を伝えなくてはなりません。
うまく情報が伝わった時にはたいてい心のなかでガッツポーズです!
プレゼンテーションとは
プレゼンテーションの定義は、聞き手の立場に立ちながら要望を認識し、聞き手が知りたい情報を伝えて具体的行動を促すこと。
つまり自分が伝えたいことを主張するだけでは、本来のプレゼンテーションの意味合いとは異なるのです。
どんなに短かいものであっても、プレゼンテーションは簡単ではありません。
受診の際には準備を!
受診の際には、ぶっつけ本番のプレゼンテーションを避けることをおすすめします。
当院ではWeb問診システムを導入しており、外来を受診する際にはスマートフォンを使ってゆっくりと情報を入力していただけます。
自分の病歴を口頭で正確に語ることは、多くの人にとって難しいことです。
関係のない話が入ってきたり、話が逸れてしまったり、時系列が混乱したりすることもあります。
例えば、高熱の情報が必要な場合でも、具体的な体温が39度なのか39度2分なのかで記憶を辿ることになり、診察に重要な情報が曖昧になってしまうこともあります。
また、持病や服薬歴はその人の病気にとって非常に重要な情報ですが、多くの人がこの情報を曖昧なまま伝えてしまいます。自分が服用している薬の効果について知らない人も少なくありません。
そんな時に重要なのは、事前のリハーサルやメモをすることです。
リハーサルを通じて、受診前に自分の話す内容を整理し、必要な情報を的確に伝える準備をすることができます。また、メモを取ることで、受診時に忘れてしまうことがあっても、重要な情報を見落とすことなく伝えることができます。
さいごに
病院での受診は大切な時間です。患者さん自身が自分の状態や経緯を正確に伝えることで、医師も適切な診断や治療を行うことができます。
ぶっつけ本番のプレゼンテーションを避けるために、事前の準備をしっかりと行い、メモに書き出してから受診することをおすすめします。