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咳が止まらない…それ、アトピー咳嗽かもしれません!

こんにちは、みなさん!

突然ですが、寒い冬の夜、風邪を引いた時のことを思い出してみてください。

鼻が詰まり、頭痛がし、そして、何よりも咳が止まらない… そんな経験、皆さんも一度や二度はあるのではないでしょうか。そんな時、ただの風邪だと思い込むのは簡単ですが、実はその咳、アトピー咳嗽の可能性があるんですよ。

アトピー咳嗽って何?

アトピー咳嗽とは、1989年に日本から提唱された新しい疾患概念で、気管支喘息のような呼吸困難はないけれど、咳だけが長く続く病気なんです。喉のイガイガ感やかゆみを伴う、痰の出ない乾いた咳が特徴的です。

アトピー性皮膚炎の経験がある人や、家族にアレルギー体質の人がいると、この疾患にかかりやすいとされています。中年女性に多い病気で、咳喘息と似ていますが、気管支拡張薬が効かない点が異なります。

アレルギーとアトピーの違い

アレルギーとアトピー、似ているけどちょっと違うんですよね。

アレルギーは、体が特定の物に反応して、くしゃみやかゆみなどの症状が出ること。花粉やダニ、食物が代表的です。

一方、アトピーは、体が特定の物だけでなく、化学繊維の衣類や乾燥した空気にも過敏に反応する体質。

つまり、アトピーはアレルギーを含む、もっと広い意味の言葉なんです。

アトピー咳嗽の原因と診断

アトピー咳嗽は、夜から朝にかけての咳が多く、エアコン、煙草の煙、会話、運動、精神的緊張などが誘発因子。

そして、気管支拡張薬や鎮咳薬、抗菌薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬(これはちょっと難しい名前ですね)が効かない場合も多いです。

原因は、咳を出す時に関係する「受容体」という部分が、とても敏感になっていることです。例えば、友だちが軽く触ってくれたのに、それが痛く感じるようなものです。ちょっとした刺激でも、本当は必要ないのに、この受容体が過剰に反応して、咳が出てしまうんです。

診断は、以下の条件に全て当てはまる場合、アトピー咳嗽が疑われます。

〇乾性咳嗽が3週間以上持続し、喘鳴や呼吸困難を伴わない

〇気管支拡張薬が効かない

〇アトピー素因を示唆する所見や誘導喀痰中好酸球増加が認められる

〇抗ヒスタミン薬やステロイド薬で咳嗽発作が消失する

アトピー素因を示唆する所見
1)喘息以外のアレルギー疾患の既往あるいは合併
2)末梢血好酸球増加
3)血清総IgE値の上昇
4)特異的IgE陽性
5)アレルゲン皮内テスト陽性

参考:日本咳嗽学会 咳について

治療と経過

治療は、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が有効です。通常、抗ヒスタミン薬から始め、効果不十分な場合は吸入ステロイドを追加します。

アトピー咳嗽は、将来的な喘息の発症や呼吸機能障害の進行はほとんどないと考えられています。ただ、治療終了後に再発する場合があります。その場合、同じ治療を行えば軽快することがほとんどです。

まとめ

アトピー咳嗽は、アトピー素因やアレルギー体質の人が罹りやすい疾患です。

適切な治療でほとんど改善するので、症状があれば早めに医師の診断を受けましょう。


アトピー咳嗽についてのお話、いかがでしたか?みなさんの参考になれば幸いです

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