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小さな子どもとインフルエンザ:予防から回復までのガイド

現在大流行しているインフルエンザは誰もが一度は耳にしたことがある病気ですが、特に小さなお子さんを持つ親御さんにとっては心配の種ですよね。

この記事では、外来でよく質問を受けるインフルエンザとその合併症、特に小児におけるインフルエンザ脳症のリスク、そしてその予防と治療についてを解説します。インフルエンザに対する理解を深め、身を守るための知識を得ていただければ幸いです。

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。

症状としては、高熱、咳、のどの痛み、全身のだるさなどが挙げられます。

多くの場合、健康な成人では自然に回復しますが、小児や高齢者、基礎疾患を持つ人では重症化しやすいとされています。

特に注意が必要な小児のインフルエンザ

5歳未満のお子さんは、インフルエンザによる合併症のリスクが高く、特に2歳以下の乳幼児においては、インフルエンザ脳症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。このため、インフルエンザの予防と早期治療が非常に重要です。

予防はワクチンが基本

インフルエンザの予防には、まずワクチン接種が効果的です。

クリニックで診療をしていると、ワクチンを接種していない方がインフルエンザの餌食になっている印象です。2回、3回と罹っている方も少なくありません。

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化を防ぎ、感染のリスクを減らすことができます。

特に、小児におけるインフルエンザの予防には積極的なワクチン接種が推奨されます。

今シーズン予防接種をしていなかった方は次の秋にはぜひインフルエンザ予防接種を打ちましょう。

抗ウイルス薬の使用

現在使用できるお薬はタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザです。

インフルエンザに感染した場合、抗ウイルス薬の使用が考えられます。

特に、発症から48時間以内に投与することで、症状の短縮や重症化を防ぐ効果があります。

しかし、すべてのケースで必須ではありません。インフルエンザは自然軽快することがほとんどであるので投与は必須ではありません。

タミフルは全年齢で使用が可能です。呼吸器症状が強い・呼吸器疾患がある場合のエビデンスがあるのはタミフルだけです。リレンザやイナビルは乳幼児には吸入が困難です。ゾフルーザは12歳以上の小児に推奨されますが、5歳以下では慎重な使用が求められます。

抗インフルエンザ薬による異常行動について

以前に話題となっていた異常行動については、現在では抗インフルエンザ薬が原因ではなく、インフルエンザ感染症自体が原因と言われています。

抗インフルエンザ薬の使用の有無に関わらず異常行動には注意が必要であるということです。窓の戸締りやいつもは2階で過ごしているのならば1階で過ごすといった柔軟な対応が必要です。

抗インフルエンザ薬の予防投与

インフルエンザの予防については、あくまでもワクチン接種やマスク着用・手洗いなどの対策が基本です。

日本小児科学会によると、抗インフルエンザ薬による予防投与については、病院内における集団発生やインフルエンザ重症化リスクのある基礎疾患のある患者が曝露を受けた状況において考慮されます。

学校や保育園への復帰

小児がインフルエンザに感染した場合、出席停止期間が定められています。

発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで家での療養が必要です。

健栄製薬HPより抜粋

ここでのポイントは、発熱した日を含めずにカウントすることです。発熱した日をゼロ日と数えること。解熱も解熱した日をゼロ日と数えてください。

まとめ

インフルエンザは小児にとって重大なリスクを伴いますが、適切な予防と早期治療により、そのリスクを大きく減らすことができます。

ワクチン接種の重要性、抗ウイルス薬の適切な使用、そして日常生活での基本的な感染対策を心がけることが大切です。

インフルエンザの季節を前に、この情報が皆さんの健康管理に役立てば幸いです。

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