私たちの社会で、時に耳にする「ギャンブル依存症」という言葉。この病について深く考えたことはありますか?
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博の疑いを持たれ、彼自身もギャンブル依存症であることを認めました。
【“ギャンブル依存症”の怖さ】元通訳・水原氏も… ハマる・ぬけられない理由とは
このニュースは多くの人に衝撃を与えましたが、同時に、ギャンブル依存症の深刻さについても注目が集まっています。
私自身、精神科疾患の専門家ではありませんが、この機会にギャンブル依存症について理解を深め、周囲で苦しんでいるかもしれない人への理解と支援の重要性を共有したいと思います。
ギャンブル依存症の現状
日本では、他の先進国と比べてギャンブル依存症の割合が非常に高いと言われています。厚生労働省の調査によると、成人全体での依存率は4.8%に上ります。男性が8.8%、女性が1.8%と、性別による差も指摘されています(2013年調査)。これは、決して他人事ではなく、私たちの身近な問題として捉えるべきです。
ギャンブル依存症とは、簡単に言えば、ギャンブルにのめり込みすぎて自分でコントロールできなくなる心の病です。競馬、パチンコ、パチスロ、競輪など、さまざまな形があります。この病は、うつ病や経済的な問題、家庭内の不和といったさらに深刻な問題を引き起こすことがあります。
アルコール依存症と違って直接的に健康被害が起きる訳ではないので本人が自覚しずらい疾患です。
ギャンブル障害の診断基準
ギャンブル依存症は「ギャンブル障害」として、精神疾患の診断基準DSM-5にも明記されています。
過去12カ月の間に以下のような症状のうち4つ以上に該当する場合、ギャンブル障害と診断されます。例えば、賭け金を増やしてしまう衝動、賭博をやめられない、賭博による経済的な困窮を他人に助けを求めるなどが挙げられます。
このような診断基準を知ることで、自身や周囲の人がこの病に苦しんでいないか、確認することが大切です。
支援と治療への道
ギャンブル依存症は、適切な治療と支援によって回復が可能です。
しかし、「自分は病気ではない」と考えてしまうことが最大の障壁となります。多くの場合、依存症の人々は自分の問題を認識しにくいため、必要な治療やサポートを求めることが遅れがちです。この状態を放置すると、症状はさらに悪化し、借金問題などが深刻化することがあります。
精神科や消費者庁のHPからもサポートを得ることができます。
まとめ
ギャンブル依存症は、見過ごされがちな精神疾患ですが、適切な治療とサポートにより克服が可能です。
水原通訳の事件は、ギャンブル依存症の深刻な影響を私たちに再認識させました。この機会に、ギャンブル依存症の理解を深めましょう。
あなたがもし困っているなら、遠慮なく専門家や支援団体に相談してください。この病気を一人で克服治療することは困難かもしれませんが、あなた一人ではないことを、忘れないでください。