お子さんの診察、ドキドキしていませんか?「泣き出したらどうしよう」「暴れたら困る」そんな不安が頭をよぎります。
でも、大丈夫。ご家族の態度次第で、お子さんの不安は驚くほど和らぐんです。
今日は、診察室での子どもの不安を和らげるコツをお伝えします。
感情は伝染する:知っておきたい「情動伝染」
「感情は伝染する」って聞いたことありますか?これ、実は科学的に証明されているんです。例えば:
- 待合室で一人の赤ちゃんが泣き出すと、周りの赤ちゃんも泣き出す
- 職場の誰かが不機嫌だと、チーム全体の雰囲気が重くなる
- お母さんがイライラすると、家族みんなが居心地悪く感じる
これらは全て「情動伝染」と呼ばれる現象です。私たちの脳にあるミラーニューロンという細胞が、他人の感情を鏡のように反射するんです。
子どもは敏感:親の気持ちがストレートに伝わる
この情動伝染、実は診察室でもよく起こります。家族の誰かが緊張すると、その空気はすぐに子どもに伝わってしまうんです。特に子どもは大人の感情にとても敏感。
診察室で落ち着きのないお子さんを見かけると、ほとんどの場合、親御さんも同じように不安そうな表情をしています。親のピリピリ、イライラが子どもに「うつる」んですね。
逆に、親が落ち着いていると、子どももリラックスする傾向があります。つまり、親の態度が子どもの心の状態に大きく影響するんです。
診察室での不安を和らげるコツ
では、具体的にどうすれば子どもの不安を和らげられるでしょうか?
診察室に入る前の声かけ
- 「大丈夫、お父さん(お母さん)がついているからね」
- 「一緒に頑張ろうね。怖いことがあったら、すぐに教えてね」
親自身が落ち着く
- 深呼吸をして、自分の緊張をほぐす
- 穏やかな表情を心がける
- 子どもの目線に合わせて話しかける
子どもの質問に丁寧に答える
- 「どんなことが不安?」と、まず気持ちを聞く
- 年齢に合わせて、分かりやすく説明する
- 「痛いの?」という質問には正直に答え、「でもすぐ終わるよ」と付け加える
ポジティブな雰囲気を作る
- 「診察が終わったら、〇〇しようね」と楽しみを作る
- 子どもの勇気をほめる
気分転換の工夫
- お気に入りのぬいぐるみやおもちゃを持参する
- 待ち時間に絵本を読んだり、簡単なゲームをしたりする
まとめ:子どもの不安を和らげるために
ポイントは、親が落ち着いた態度を保つこと。そして、子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることです。これらの工夫で、子どもはリラックスして診察を受けられるようになります。
診察室が怖い場所から、健康を守る大切な場所に変えましょう。
一緒に、子どもが安心して診察を受けられる環境を作っていきましょう。