子どもの病気

マイコプラズマ肺炎:症状から予防まで

こんにちは。最近、マイコプラズマ肺炎が8年ぶりの高水準で流行しています。

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実際、当院でも夏休みに入ってから数人のマイコプラズマ肺炎やマイコプラズマ感染症の患者さんが受診しています。今回は、マイコプラズマ肺炎について、皆さまに知っておいていただきたい情報を共有したいと思います。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエという特殊な細菌が原因で起こる呼吸器系の感染症です。

感染経路と潜伏期間

主な感染経路は以下の2つです:

  1. 飛沫感染:感染者のくしゃみや咳によって広がります
  2. 接触感染:感染者との濃厚接触で広がることがあります

潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、約3週間です。家族内での感染率は非常に高く、90%近くに達します。

マイコプラズマの疫学情報

  • マイコプラズマ肺炎は、主に夏から初秋にかけて多く発生します。
  • 全年齢の子どもが感染する可能性がありますが、5歳から35歳の年齢層に特に多く見られます。
  • 7〜8歳頃に感染のピークがあります。
  • 年齢が上がるにつれて、肺炎の原因としてマイコプラズマの割合が増加します。

マイコプラズマ肺炎の主な症状

マイコプラズマ肺炎の主な症状には以下のようなものがあります:

  • 発熱(多くの患者さんに見られます)
  • (ほとんどの患者さんに見られます):通常は痰のない乾いた咳で、数週間から数ヶ月続くことがあります
  • 倦怠感(体のだるさ)
  • 息切れ
  • 頭痛
  • 喉の痛み

特徴的なのは、症状が長引く傾向があることです。そのため、「歩く肺炎」とも呼ばれています。

診断方法

マイコプラズマ肺炎の診断は、主に以下のような方法で行われます:

  1. 問診と身体診察:症状や経過をよく聞き、聴診器で肺の音を確認します。
  2. 胸部レントゲン検査:肺の状態を確認しますが、マイコプラズマ肺炎に特有の所見はありません。
  3. 血液検査:炎症反応や白血球数、マイコプラズマ抗体などを調べます。
  4. 特殊な検査:必要に応じて、マイコプラズマを直接調べる検査を行うことがあります。

注意点:症状がない場合でも検査で陽性になることがあるため、検査結果の解釈には医師の総合的な判断が必要です。

治療方法

マイコプラズマ肺炎と診断された場合、通常は抗生物質による治療が行われます。マイコプラズマは一般的な風邪の原因となるウイルスとは異なり細菌の一種であるため、適切な抗生物質が効果的です。

治療のポイント:

  1. 医師の指示に従った服薬:処方された抗生物質を飲み切ることが大切です。
  2. 十分な休養:体力の回復を助け、症状の改善を促します。
  3. 水分補給:発熱やせきにより失われた水分を補給します。
  4. 症状に応じた対症療法:熱や咳がひどい場合は、解熱剤や鎮咳剤を使用することがあります。

予防法

マイコプラズマ肺炎の予防には、基本的な感染対策が効果的です:

  1. こまめな手洗いを心がけましょう
  2. マスクの着用で飛沫感染を防ぎましょう
  3. 十分な休息とバランスの取れた食事で免疫力を高めましょう

夏休み明けの注意点

夏休みが終わり、学校や職場に戻る時期は特に注意が必要です。

  • 旅行先で感染した可能性もあるため、体調の変化に敏感になりましょう
  • 学校や職場では、換気を十分に行い、密集・密接状態を避けるよう心がけましょう
  • 症状がある場合は、無理をせず自宅で休養し、必要に応じて医療機関を受診してください

まとめ

マイコプラズマ肺炎は適切な治療を行えば予後は良好ですが、早期診断と適切な治療が重要です。長引く咳や発熱が気になる場合は、医療機関を受診してください。特に、夏休み明けは感染のリスクが高まる時期ですので、十分な注意が必要です。

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