
「最近、あれ? と思う物忘れが増えた」「家族にも同じ話を繰り返しているかも…」——そんな不安がよぎると、将来への心配がふくらみますよね。でも大丈夫。脳は、ちょっとした生活習慣の積み重ねでまだまだ元気を取り戻せます。
名古屋市立大学の松川則之先生は、私たちが今日からすぐ始められる“7つの脳の元気スイッチ”を教えてくれました。本記事ではその内容を解説します。
認知症にならないため、今できる7つのこと 世界の研究でわかったポイントを脳神経内科教授が解説
認知症ってどんな病気?
- ポイント:脳の神経細胞がダメージを受けてうまく働けなくなる病気です。
- 原因の一つ:「アミロイドβ」と「タウ」という傷ついたタンパク質が脳にたまり、神経細胞どうしの“電気信号のやり取り”を邪魔します。
認知症になりにくい人の共通点

- 教育を長く受けた人
- 本や旅行・趣味などを楽しみ、知的好奇心を持ち続けている人
- 有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を日常的にしている人
- 友だちや家族とよく話し、社会とつながっている人
認知症のリスクを高める要因
- 生活習慣病(糖尿病・高血圧)
- 心房細動などの不整脈、たばこ、過度の飲酒
- 頭を強く打つけが
- 孤立して人とあまり会わない生活
- 肺の機能低下や聴力の低下など
いまから始めよう!7つの予防アクション

「認知症を遠ざけるコツ」は以下です。
積極的に社会と関わる
友だちや家族と話すと “脳の配線” が刺激され、考える力や気持ちをつかさどる部分が活発に働きます。
- 週に1回は人と会って雑談するだけでもOK。
- オンライン通話でも良いので「顔を見て笑顔で話す」ことが大切。
- 自治会・趣味サークル・ボランティアなど「所属先」を持つと続けやすい。
知的興味を持ち続け、訓練する
- 読書・将棋・パズル・料理の新メニュー作り・旅行計画など、頭を使う遊びを選ぶ。
- 「少し難しいけど楽しい」と感じるレベルが脳を刺激します。
- 毎日15分でも継続すると効果◎。
豊かな感情を維持する
「うれしい」「ありがとう」など前向きな感情は、ストレスを軽くし、脳内の炎症を防ぎます。
- 家族に1日1回「ありがとう」を言う。
- 寝る前に“今日の良かったこと”を3つ書き出す。
- 鏡に向かってニッコリ——笑顔を作るだけでも効果あり。
有酸素運動を続ける
早歩きやジョギングで心臓がドキドキすると、脳へ行く血流が増え、栄養と酸素がしっかり届きます。
- 目安は1日30分の“やや速歩き”。会話がギリギリできる強さがベスト。
- 雨の日は室内で踏み台昇降やラジオ体操を代用。
- 万歩計やスマートウォッチで記録するとモチベUP。
頭のけがを防ぐ
強い打撲は、のちの認知症リスクを高めます。まず“ぶつけない”環境づくりが大切。
- 自転車はヘルメット必須。
- 家の中の段差・カーペットのめくれをチェック。
- お風呂場に滑り止めマット設置。
新しいことに挑戦
初めての体験は脳にとって“大冒険”。未知のルートが切り開かれ、柔軟に考える力が伸びます。
- 地域のボランティアに1日参加。
- 月に一度は「初めて」を経験。例:料理教室、オンライン講座、ボランティア。
- 小さなことでOK。「新しい道を散歩する」だけでも脳は活性化。
生活習慣病を治療・予防
糖尿病・高血圧などは脳の血管を痛め、認知症の土台になります。
- 塩分は1日6g未満が目標。味噌汁は“具だくさん薄味”に。
- 清涼飲料や甘いカフェドリンクは「週1回まで」などマイルールを設定。
- 定期健診で血圧・血糖・コレステロールをチェックし、異常があれば早めに治療。
Point 💡
全部を完璧にする必要はありません。
「気になる項目を1つ選んで、今週から試してみる」──その小さな一歩が、未来の脳を守る大きな力になります。
まとめ
- 認知症は、自分の生活習慣を変えることでリスクを下げられる可能性があります。
- 今日からできる小さな一歩――歩く・話す・学ぶ・笑う――を積み重ねて、将来の自分の脳を守りましょう!