未分類

2025年春のリンゴ病(伝染性紅斑)――過去10年最多の理由と対策

(※基本的な症状・登園基準・再発のように見えるケースは、すでに公開済みの下記記事で詳しく解説しています。重複を避けるため本稿では触れません)

1.最新データをざっくり整理

伝染性紅斑が増えています。

第20週(5/12〜5/18)の定点当たり報告数が 2.05――過去10年間で最多を記録しました。

リンゴ病(伝染性紅斑)が警報レベルに達しつつあります。

2025年第20週(5/12-18)1定点当たり患者数備考
全国平均2.05現行集計法になった1999年以降で最多 (X (formerly Twitter))
京都市2.55平成11年以降で初の警報レベル (京都市)
栃木県7.56県全体で警報レベル継続中 (栃木県公式ホームページ)
福岡県2.00超5/26付で注意喚起 (福岡県庁)
北海道渡島管内2.50(速報)全道平均は3週連続で全国を上回る傾向 (oshima.pref.hokkaido.lg.jp)

複数地域で「警報基準(2.0)」超えております。北海道でも局地的な流行が続き、札幌近郊でも注意が必要です。外来診療でもリンゴ病の患者さんを見かけることが増えています。

2.なぜ今年はこんなに多い?4つの背景

“免疫ギャップ”の拡大

2023-24年は流行が小規模にとどまり、集団免疫が十分つかなかったと指摘されています (大阪府インフルエンザ情報)。

本来の4~5年周期がずれ込みピークが重複

パルボウイルスB19は数年おきに大流行と小流行を繰り返しますが、コロナ禍の行動制限でサイクルが後ろ倒しになった可能性があります。

マスクオフ・人流増加による飛沫・接触機会の増大

今年4月以降に保育園・学校行事が通常開催となった影響もありそうです。

GW大移動とイベント再開が火種に

4月末〜5月初めの大型連休で帰省・旅行・フェスなど対面イベントがフル再開。休暇中に保育園児・学童を含む家族内でウイルスが循環し、一気に全国へ拡散した可能性があります。

3.小児だけじゃない!「おとなリンゴ病」の落とし穴

症状子ども成人
両頬の紅斑◎(典型的)△(出ない/薄いことが多い)
レース状の体幹・四肢発疹
発熱・倦怠感○(「夏かぜ?」と自己判断しがち)
対称性関節痛・腫脹◎(最大70%)
むくみ・指こわばり
貧血増悪・息切れまれ基礎疾患があると要注意
  • 目立つのは関節痛:手指・膝など左右対称の痛みが数日~数週間続くことがあり、リウマチと勘違いされるケースもあります。
  • 発疹が出ない(または気づかない)成人例が約3~4割ほどいて、皮膚所見だけではスクリーニングが難しいケースがあります。
  • リンゴ病は「発疹が出る前 5~7 日間」が最も感染力が高く、本人も周囲も気づかないままウイルスが拡がる病気です。そのため「患者さんに会った覚えがないのに発症した」というケースは珍しくありません。

4.妊娠中・妊娠を希望する方へ(超重要)

  • 国内報告では母体初感染の約20%で胎児へ感染、さらにその約20%に胎児水腫など重篤な合併症が起こるとされています。
  • 初期症状(微熱・だるさ)+1週間後の発疹が典型。
  • 流行期は「かぜ症状のある幼児と長時間同じ空間にいない」「職場での飛沫対策を強化」など、“セルフ隔離”が最大の防御です。

5.まとめ

  • ウイルス排泄のピークは“頬が赤くなる前”——発疹が出た時には周りにうつしにくくなっています。
  • 手洗い・マスク・咳エチケットの“コロナ基本セット”は今も有効。
  • 流行の波が落ち着くまでは、特に妊婦さん・小児・基礎疾患をお持ちの方は慎重に行動しましょう

-未分類

おとなとこどもの健康ノートをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む