
保育園デビューから数週間——またお熱の電話が来た。仕事を抜けてお迎えに行って、翌朝「今日、行っていいですか?」と迷う。
そのたびに正解がわからなくて不安になりますよね。この記事では、当院でよくお伝えしている考え方をまとめました。
※ 保育園デビューしたばかりの時期、次々と熱を出すのは実は自然なこと。その理由はこちら👇
👉 保育園症候群:子どもの感染症とその対策
■ まず結論:3つが揃えば登園を考えていい
✅ 最後に38℃以上の熱が出てから、24時間以上が経っている
✅ 食欲・水分がある程度戻っている
✅ 夜にある程度眠れている
この3つが揃っていれば、多くの風邪(ウイルス性の感染症)では登園を再開しても問題ないと考えています。
■ 「24時間」の起点はどこ?
ここで一番多い誤解が、「今朝は平熱だったからOK」という判断です。
実は、子どもの熱は夕方から夜にかけて上がりやすい性質があります。朝に平熱でも、夜にまた38℃台に上がることは珍しくありません。だから「朝の体温だけ」で判断してしまうと、登園させた日の夜にまた発熱——ということが起きやすいのです。
「最後に38℃以上が出た時刻」から24時間後が登園再開の目安です。
例:火曜の夜20時に38.5℃ → 水曜の20時まで様子を見て、木曜の朝から登園
👉 なぜ子どもは夜に熱が上がりやすいの?発熱の仕組みと付き合い方
■ 「解熱剤で下げた」場合はどう考える?
解熱剤を使って熱が下がっても、それは「薬の効果で下がっている」状態です。解熱剤が切れた後に熱が戻るようであれば、まだ体の中でウイルスが活発に活動しています。
解熱剤なしで24時間熱が出ていない——これが目安として一番安心です。
■ 熱が下がっても、これがあると待って
- 夜中に咳で目が覚めるほど咳き込んでいる
- ご飯やおやつをほとんど食べられていない
- 水分をとりたがらない・おしっこの回数が少ない
- ぐったりしていて、いつもと様子が違う
- 嘔吐・下痢がまだ続いている
熱が下がると急に元気になる子も多いですが、体の中はまだ回復途中です。食欲・睡眠・水分、この3点をチェックしてから判断してください。
■ 病気によっては別の基準があります
ほとんどの風邪なら上記の考え方で問題ありませんが、一部の感染症には別のルールがあります。
【溶連菌】
抗菌薬を飲み始めてから24時間以上経過+解熱していること
【インフルエンザ】
発症した日を0日目として、発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで登園不可(学校保健安全法)。両方の条件を満たした翌日から登園できます。
例:月曜に発熱(0日目)→ 土曜が発症後5日目。かつ解熱した日から2日(幼児3日)後——遅いほうの日付が登園OKの基準です。
【ノロウイルス・ロタウイルス】
嘔吐・下痢が落ち着いてから48時間以上(施設によって異なる)
【アデノウイルス】
発熱・目やにが落ち着くまで(施設に要確認)
「うちの子、何ウイルスですか?」と受診時に確認しておくと、登園の目安もあわせてお伝えできます。気軽に聞いてみてください。
■ 保育園への伝え方
登園再開のとき、園に何と伝えればいいか迷う方も多いです。シンプルでOKです。
「昨夜〇時以降は熱が出ていません。食欲も戻ってきて、夜もよく眠れていました。」
「小児科で登園OKと言われました」の一言があると、園側も安心しやすいです。診察で登園の目安をお伝えした場合は、ぜひ活用してください。
■ まとめ
- 最後の発熱(38℃以上)から解熱剤なしで24時間が基本の目安
- 「朝の平熱」だけで判断しない。夜の発熱まで含めて考える
- 食欲・睡眠・水分が戻っていることを確認する
- インフルは発症後5日+解熱後2日(幼児3日)の両方を満たすまで登園不可
保育園の最初の1年は、お子さんにとっても親御さんにとっても試練の連続です。でも、感染症を繰り返すことで免疫はしっかり育っていきます。焦らず、一緒に乗り越えていきましょう。
※ 保育園デビューシリーズ #1