予防接種

【ご家族の健康を守るために】大人のRSウイルスワクチンをご存知ですか?

こんにちは。日頃より当院をご利用いただき、ありがとうございます。

皆様にとって、ご自身の体調管理はもちろんのこと、離れて暮らすご両親や、同居されているご高齢のご家族の健康についても、気になることが多いのではないでしょうか。

本日は、最近ニュースや医療機関で話題になることが増えた「RSウイルスワクチン(RSVワクチン)」についてお話しします。名前は聞いたことがあっても、「子どもがかかる病気でしょ?」「高齢者に関係あるの?」と思われている方が多いかもしれません。

実はこのワクチン、大切なご家族を肺炎などの重症化から守るための新しい選択肢なのです。

RSウイルス(RSV)ってどんなウイルス?

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、呼吸器に感染する非常にありふれたウイルスです。

「RSウイルス」と聞くと、保育園や幼稚園に通う小さなお子さんがかかる病気というイメージが強いかもしれません。確かに、2歳までにほぼ全ての子どもが感染すると言われているほど、乳幼児にとっては身近なウイルスです。

しかし、このウイルスは「一度かかれば終わり」ではありません。私たちは生涯を通じて、何度もRSウイルスに感染を繰り返しています。健康な大人が感染した場合、鼻水や咳、軽い発熱など、いわゆる「普通の風邪」の症状で治まることがほとんどであるため、RSウイルスだと気づかないまま過ごしているケースが多いのです。

「子どもの病気」だけじゃない!大人・高齢者への影響

健康な成人にとっては「ただの風邪」で済むことが多いRSウイルスですが、高齢者にとっては少し事情が異なります。

高齢者が感染すると重症化リスクが高まる

60歳以上の方、特に高齢になればなるほど、RSウイルス感染症は重症化しやすくなります。原因は、加齢に伴う免疫機能の低下です。

高齢者がRSウイルスに感染すると、ウイルスが気管支や肺の奥深くまで入り込み、重篤な肺炎を引き起こすことがあります。さらに、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心疾患などの持病がある場合、その持病が悪化してしまうリスクもあります。

実際、欧米のデータなどでは、RSウイルスによる高齢者の入院数や死亡数は、季節性インフルエンザに匹敵するほど深刻な影響を与えているという報告もあります。

免疫が下がると誰でもかかりうる

年齢だけでなく、糖尿病や腎臓病などの基礎疾患をお持ちの方や、治療によって免疫力が低下している方も注意が必要です。

「自分はまだ元気だから」と思っていても、風邪をこじらせて肺炎になり、入院が必要になってしまうきっかけの一つが、このRSウイルスなのです。ご高齢のご家族が、「風邪がなかなか治らない」「咳がひどくて苦しそうだ」という場合、それがRSウイルスである可能性も否定できません。

RSウイルスワクチン(RSVワクチン)とは?

これまで、RSウイルスには特効薬や大人が接種できるワクチンがありませんでした。しかし、近年ついに60歳以上の方を対象としたRSウイルスワクチンが承認され、接種が可能になりました。

日本老年医学会も推奨するワクチンのひとつ

一般社団法人日本老年医学会では、「65歳以上の成人に接種を推奨するワクチン」として、以下の5つを挙げています。

  • インフルエンザワクチン
  • 肺炎球菌ワクチン
  • 新型コロナウイルスワクチン
  • 帯状疱疹ワクチン
  • RSウイルスワクチン

インフルエンザや肺炎球菌ワクチンはよく知られていますが、RSウイルスワクチンも、高齢者の健康を守るために重要なワクチンのひとつとして位置づけられるようになりました。

どんな人が接種を検討すべき?

現在、国内で使用できるRSウイルスワクチンは、主に60歳以上の方が対象です。

特に、以下のような方は重症化リスクが高いため、接種を前向きに検討されることをお勧めします。

  • 喘息やCOPDなどの呼吸器疾患がある方
  • 心不全などの心疾患がある方
  • 糖尿病や腎臓病などの基礎疾患がある方
  • 免疫機能が低下している方
  • 高齢者施設に入所されている方、または集団生活の機会が多い方

ご両親に「知ってる?」と聞いてみてください

新しいワクチンのため、ご高齢の方ご自身も「RSウイルスのワクチンがある」ということをまだご存じないケースが多々あります。

ぜひ、離れて暮らすご両親や、一緒に暮らすご家族に、会話のきっかけとして聞いてみてください。

「最近、大人のRSウイルスワクチンっていうのができたらしいよ」
「肺炎の予防になるみたいだけど、知ってる?」

そんな一言が、大切なご家族を肺炎のリスクから守るきっかけになるかもしれません。もしご本人が関心を持たれたり、不安に感じているようであれば、まずは医師への相談をお勧めください。

まとめ

RSウイルスは、乳幼児だけでなく、高齢者にとっても肺炎や入院のリスクとなる感染症です。しかし、現在はワクチンによってそのリスクを軽減できる時代になりました。

ご家族がいつまでも元気に過ごせるよう、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンとあわせて、RSウイルスワクチンについても一度話題にしてみてはいかがでしょうか。

ワクチンについてご不明な点がございましたら、
お電話またはご来院の際にスタッフへお気軽にご相談ください。

【この記事を書いた医師】
南22条おとなとこどものクリニック 院長
小林 俊幸
小児科・総合内科
この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、
診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。
▶ 院長プロフィールはこちら

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

【この記事を書いた医師】 南22条おとなとこどものクリニック 院長 小児科・総合内科 この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、 診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。

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