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口内炎が繰り返す原因と、正しいケアの方法

「テスト前になると口内炎ができる」「塾が続く時期だけ繰り返す」──それ、偶然じゃありません。睡眠不足とストレスが続く受験生・塾通いの子どもに口内炎が増えるのには、ちゃんと理由があります。

口内炎は、多くの人が「たいしたことない」と放置しがちですが、繰り返すのには理由があります。実は口内炎にはいくつか種類があり、原因によってケアの方法も変わります。なんとなくのケアを続けていると、知らず知らずのうちに繰り返すサイクルにはまってしまうことも。

この記事では、口内炎が繰り返す原因とタイプ別の正しいケア方法をわかりやすく解説します。「またか…」を卒業するヒントにしてください。

口内炎が繰り返す原因を知ろう

口内炎が繰り返すとき、多くの場合は原因が解消されていないことが理由です。まずは自分の口内炎がどのタイプかを知ることが、繰り返しを防ぐ第一歩になります。

口内炎には主に4つのタイプがあります。

① アフタ性口内炎(最もよくある)

ほほの内側や舌、歯茎に、白くて丸い境界のはっきりした潰瘍ができます。「口内炎といえばこれ」という方が多く、繰り返す人に最も多く見られるタイプです。

主な原因はストレス・睡眠不足・疲労の蓄積・ビタミンB群の不足。忙しい時期にかぎってできやすいのはこのためです。人にうつることはほとんどなく、ビタミン補給や市販の軟膏・貼り薬でケアできます。

② 外傷性口内炎

矯正器具・義歯が当たる、熱い食べ物でやけどをする、誤って口の中を噛んでしまうなど、物理的な刺激が原因のタイプです。刺激を受けた場所に赤い腫れや白いただれができるのが特徴で、人にはうつりません。原因の刺激を取り除けば1週間ほどで自然に治ることがほとんどです。

③ ヘルペス性口内炎・口唇ヘルペス - ウイルスが原因

⚠️要注意!人にうつります⚠️
(参考:日本皮膚科学会「ヘルペスと帯状疱疹」

ヘルペス性は、初めて感染するときと、ウイルスが体に潜んだあと再び暴れ出すときで症状が大きく違います。

👶 子どもに多い「ヘルペス性歯肉口内炎」(初感染)

  • 39〜40度の高熱が数日続く
  • 歯茎が真っ赤に腫れ、口の中全体に水ぶくれやただれ
  • 痛みで水も飲めなくなることがある → 脱水に注意
  • 首のリンパ節が腫れる
  • 1〜2歳前後の初感染で目立ちます

👉「飲めない・おしっこが減った・ぐったり」のサインが出たら早めの受診を。点滴や入院が必要になることもあります。

👩 大人に多い「口唇ヘルペス」(再活性化)

  • 唇のフチにピリピリ感 → 小さな水ぶくれ
  • 疲れ・睡眠不足・紫外線・発熱がきっかけ
  • 同じ場所に繰り返しできるのが特徴
  • 早めに抗ウイルス薬を始めるほど治りが早い

共通の注意点

  • タオル・コップ・食器の共有を避ける
  • 水ぶくれは潰さない/触ったら手を洗う
  • 赤ちゃんへの接触・キスは控える

(関連記事:感染症はうつる?家庭で防ぐコツ

④ カンジダ性口内炎

口の中全体に白いコケ状の膜ができることがあり、こすると取れますが下に赤いただれが現れます。カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌が原因で、抗生物質の長期使用後や免疫力が低下している方に多く見られます。自然には治りにくく、病院で処方される抗真菌薬での治療が必要です。(参考:日本皮膚科学会「子供のウイルス感染症」

まず自分のタイプをチェック

症状・心当たり疑われるタイプ対応
忙しい・疲れている・睡眠不足が続いているアフタ性市販薬でOK(2週間治らなければ受診)
矯正器具・義歯・やけどの心当たりがある外傷性原因を取り除く・自然に治るのを待つ
水ぶくれ・発熱・リンパの腫れがあるヘルペス性⚠️ 早めに受診(抗ウイルス薬が必要)
白いコケ状のものが口全体に広がっているカンジダ性⚠️ 受診必須(市販薬では治らない)

タイプ別の正しいケア方法

原因がわかったら、次はタイプに合ったケアを。間違ったケアを続けていると、治りが遅くなったり繰り返す原因になることがあります。

① アフタ性口内炎のケア

市販のステロイド系軟膏や貼り薬(口内炎パッチ)が有効です。患部を保護しながら炎症を抑えることができます。刺激の強い食べ物(辛いもの・酸っぱいもの)は避け、やわらかい食事を心がけましょう。

② 外傷性口内炎のケア

まず原因の刺激を取り除くことが最優先です。矯正器具が当たっている場合は歯科医に相談を。やけどや噛み傷なら、清潔を保ちながら自然に治るのを待つだけでOKです。市販の抗菌軟膏も補助的に使えます。

③ ヘルペス性口内炎・口唇ヘルペスのケア

自己判断でのケアは限界があります。早めに内科または皮膚科を受診して、抗ウイルス薬を処方してもらいましょう。発症初期に使うほど効果が出やすいです。子どもが高熱・脱水症状を伴う場合は点滴や入院が必要になることもあります。家族へのうつしに注意し、タオル・コップの共有は避けてください。

(関連記事:ウイルスと細菌の違い【2026年度】帯状疱疹ワクチンの定期接種がはじまります

④ カンジダ性口内炎のケア

市販薬では対応できません。必ず病院(内科・口腔外科)を受診して抗真菌薬を処方してもらってください。免疫低下が背景にある場合は、その原因の治療も並行して行います。

🏥 病院での治療法

アフタ性・外傷性口内炎

  • 口腔用ステロイド軟膏で炎症を抑える
  • 必要に応じてビタミン補給や対症療法

ヘルペス性口内炎・口唇ヘルペス

  • 抗ウイルス薬(早期開始が大切)
  • 高熱・脱水があれば点滴など全身管理
  • お子さんは入院が必要になることも

カンジダ性口内炎

  • 抗真菌薬で治療
  • 背景にある糖尿病や免疫低下の評価も大切

🚨 こんな時は必ず病院へ

2週間を目安に、口内炎は自然に治ることがほとんどです。しかし、以下のような症状がある場合は、自分で判断せずに必ず医療機関を受診してください。

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  • 2週間以上経っても治らない
  • 痛みが激しくて食事ができない
  • 口内炎が大きくなっている(1cm以上)
  • 数が異常に多い、またはすぐに繰り返す
  • 発熱や首のリンパ節の腫れを伴う
  • 目の充血・関節の痛み・陰部の潰瘍など口以外の症状も伴う(ベーチェット病などの可能性)

繰り返さないための予防習慣

口内炎を根本から減らすには、日常の生活習慣を見直すことが一番の近道です。特にアフタ性口内炎を繰り返す方は、次の3つを意識するだけで大きく改善することが多いです。

① 睡眠とストレスを管理する

繰り返す口内炎の最大の原因は、睡眠不足とストレスです。受験期や塾通いで帰宅が遅い場合でも、「就寝時間を毎日30分だけ早める」「寝る前30分はスマホを置いてみる」など、小さな一歩から始めましょう。完璧な生活習慣でなくても、少しの改善が口内炎の頻度を下げることにつながります。

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② ビタミンB群を意識して摂る

口内炎と特に関係が深いのがビタミンB2・B6・B12です(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)。塾弁や夜食に取り入れやすい食材として、卵・納豆・バナナ・チーズがおすすめです。朝食のバナナ1本、夕食に納豆1パックを加えるだけでも効果的です。忙しい時期は消化の良いビタミン剤(チョコラBBなどの市販品)を補助的に併用するのも一つの手です。

③ 口の中を清潔に保つ

口内炎は口の中が汚れた環境で起きやすくなります。柔らかい歯ブラシでやさしく丁寧に磨くこと、食後にうがいをすることで口内の細菌を減らすことができます。また、口内の乾燥も粘膜を傷つけやすくするため、水分をこまめにほどよく摂ることも大切です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 口内炎は何科に行けばいいですか?

まずはかかりつけの内科や耳鼻咽喉科、または歯科・口腔外科が窓口になります。ヘルペス性やカンジダ性が疑われる場合は内科・皮膚科が適しています。繰り返す場合や2週間以上治らない場合は、口腔外科を受診するのが確実です。

Q2. 市販薬は効きますか?

アフタ性・外傷性口内炎には、市販のステロイド系軟膏や口内炎パッチが有効です。ただしヘルペス性・カンジダ性には市販薬では対応できないため、病院を受診してください。「なかなか治らない」と感じたら市販薬に頼りすぎず受診を。

Q3. 子どもの口内炎はどうすればいいですか?

子どもの場合、手足口病やヘルパンギーナなどのウイルス感染症で口内炎のような症状が出ることがあります。発熱を伴う場合や、口の中全体に広がる場合は小児科を受診してください。

Q4. 口内炎が月に何度も繰り返すのは病気ですか?

月に何度も繰り返すアフタ性口内炎は「再発性アフタ」と呼ばれ、ベーチェット病などの全身疾患が背景にある場合もまれにあります。頻繁に繰り返す場合は一度医師に相談することをおすすめします。

Q5. ビタミン剤を飲めば口内炎は治りますか?

アフタ性口内炎の場合、ビタミンB群の不足が原因のひとつなので補給が有効なことがあります。ただし即効性はなく、あくまで予防・体質改善のサポートです。すでにできている口内炎には軟膏などで対処しながら、ビタミン補給は並行して行うのがベターです。

Q6. 市販の口内炎の薬、子どもに使っても大丈夫ですか?

市販の口内炎薬には年齢制限があるものがあります。パッケージに「小児への使用」についての記載を必ず確認してください。口内炎パッチ(貼り薬)は比較的低刺激ですが、小さな子どもが誤飲しないよう注意が必要です。使用に不安がある場合は薬剤師や医師に相談するのが安心です。

Q7. 塾で夕食が遅く、食事が偏りがちです。何を食べさせれば予防できますか?

塾弁・夜食には卵・納豆・バナナ・チーズ・豚肉・ほうれん草などビタミンB群が豊富な食材を意識して取り入れましょう。忙しくて食事が偏る日には、チョコラBBなどのビタミンB2・B6・B12を含む市販のサプリメントを補助的に活用するのも効果的です。毎日完璧な食事でなくても、「塾の日はバナナとチーズを持たせる」程度の工夫でも継続しやすくなります。

Q8. 受験期だけ特に口内炎が繰り返すのはなぜですか?

受験期は勉強のプレッシャーや塾通いで睡眠不足・精神的ストレスが重なりやすい時期です。ストレスや睡眠不足が続くと免疫機能が低下し、口の粘膜が傷つきやすくなります。さらに食事が偏ってビタミンB群が不足すると、粘膜の修復がうまくいかずに口内炎ができやすくなります。「受験期にかぎってできる」のはこのメカニズムが重なるためです。試験が終わると自然に減る方も多いですが、繰り返す間は睡眠・栄養の見直しと適切なケアを続けましょう。

まとめ:「またか…」を卒業するために

口内炎は誰にでも起こりうる身近な病気です。でも、「繰り返す」ときは必ず理由があります。タイプを知り、原因に合ったケアをすることが、繰り返しのサイクルを抜く第一歩です。

まずは睡眠とストレスを整え、ビタミンB群を意識して食べる。それだけでも口内炎ができにくくなる方は多いです。受験期・塾通いでどうしても生活リズムが崩れるときは、市販のビタミン剤を上手に活用しながら、できることから少しずつ取り組んでみてください。

そして、2週間以上経っても治らない場合や、いつもと違う症状を感じたら、我慢せずに病院に相談してください。「これくらいで」と気にせず、早めに動くことが一番です。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。「がんばりすぎない健康」をテーマに情報発信中。 お問い合わせはこちら

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