風しんのワクチンを子供の時に1回打ってるんですが大人になっても必要なんですか?
子どものころに風疹ワクチンを打った人は何歳から何歳までの人なのですか?
といった質問が解決します。成人男性は風疹にかかりやすい理由、各世代の風疹ワクチンの接種回数とワクチンを2回打つ必要性について解説します。
成人男性は風疹にかかることが多い
風疹は発熱、発疹、リンパ節腫脹がみられるウイルス感染症です。症状は5日ほど続きます。しかし、症状がないかあるいは非常に軽微で自分でもかかったことに気がつかない人もいます。
実は、成人男性は子供のころに予防接種を受ける機会がなかったため抗体を持っておらず風疹にかかりやすいのです。風疹にかかた成人男性は他の人に感染を広げてしまいます。
特に妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性があるので注意が必要です。
風疹ワクチンは世代によって受けている回数が違う
風疹ワクチンの歴史をみていくと、世代によって受けている回数が違うことがわかります。上の図でみなさんはどの世代にあてはまりますか?1979年4月1日以前に生まれた男性は1回も定期接種を受けることはありませんでした。そのために抗体を持っていない人が多いのです。
現在、札幌市では昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性の方に対し抗体検査と抗体が不十分だった場合の定期予防接種を実施していますが、この世代より上の世代の男性では風疹ワクチンの定期接種を1回も受けておりません、
また、風疹ワクチンの接種率は70%くらいだったといわれ、該当する世代の人が全てこの表に当てはまるわけではなく、さらに接種回数が少なかった可能性すらあります。
風疹ワクチンを2回打って予防しよう!
かつて麻疹や風疹、水痘、おたふくは一度感染かかったり、1回ワクチン接種すれば、終生免疫が持続すると考えられてました。以前は免疫獲得後に環境で病原体に接触する機会が多く,ブースターと呼ばれる免疫の刺激効果が得られたためと考えられています。
しかし、現在は終生免疫効果が持続するという考えは否定的です。ワクチンの普及で麻疹や風疹、水痘、おたふくの患者さんが激減し、ブースター効果が得られにくくなったためです。そのため、現在では麻疹や風疹、水痘、おたふくは2回接種する方針となったのです。
まとめ
- 成人男性は風疹ワクチンを打っていない場合があり、風疹にかかりやすいといえます。
- 風疹ワクチン接種は世代によって違い、特に1979年4月1日以前に生まれた男性は抗体を持っていないヒトが多いと思われます。
- 風疹ワクチンを生涯2回打つ必要があります。
風疹ワクチン2回打っているか確認してください。打っていない場合にはしっかりと2回打って風疹を予防しましょう。風疹にかかった気がする、ワクチンを打った気がするといった悩みがありましたら抗体を検査を受けて免疫があるかを確認してみてください。