子どもの病気

寒くなると増える鼻水、主な原因は3つ 〜寒さ・アレルギー・風邪の見分け方と、今日からできる鼻のケア〜

📅 2026年11月3日 (0日前に公開)

クレヨンで描いた絵:雪の日の部屋で、加湿器のそばで子どもがティッシュで鼻をかみ、ママが見守っている

外に出たとたん、鼻水がツーッ。
暖かい部屋に入ると、今度は鼻がつまる。

これからの季節、そんな毎日になっていませんか。

実はこの時期、鼻水は「出やすくて当たり前」の季節です。
しかも原因は、風邪だけではありません。

鼻水の原因は「風邪」「アレルギー」「寒さ・温度差」の3つ

鼻水の原因は、大きく分けると3つです。

  1. 風邪(ウイルス)
  2. アレルギー
  3. 冷たい空気や温度差への反応

寒くなると、この3つが重なりやすくなります。

冷たく乾いた空気が、鼻を刺激する。
外と部屋の温度差が大きくなる。
風邪のウイルスがはやり始める。

さらに秋は、夏に増えたダニの死骸やフンで、ダニのアレルギーが悪化しやすい季節でもあります。

鼻にとっては、とても忙しい時期なのです!

寒い外で出る鼻水は、鼻が「仕事をしている」サイン

鼻には、吸い込んだ空気を温めて、湿らせる働きがあります。
いわば、天然の加湿器です。

冷たい空気を吸うと、鼻の粘膜が刺激されて、サラサラした鼻水が出ます。

寒い場所でだけ鼻水が出て、暖かい場所に戻るとおさまる。
そんな鼻水は、病気ではなく、体の自然な反応のことが多いです。

「寒暖差アレルギー」は、じつはアレルギーではない

寒い外から暖かい部屋へ。
暖かい部屋から寒い外へ。

急な温度変化で、鼻水が出たり、鼻がつまったりする。
これがいわゆる「寒暖差アレルギー」です。

ただし、これは正式な病名ではありません。
花粉症のような、アレルギー反応でもありません。

鼻の粘膜には、温度に合わせて、血管の広がり方や鼻水の量を調節する働きがあります。
この反応が強く出ると、鼻水が増えたり、粘膜が腫れて鼻がつまったりするのです。

温度変化に反応しやすい体質だと、出やすくなります。
医学的には「血管運動性鼻炎」などと呼ばれます。

一時的に落ち着くこともあれば、くり返す人もいます。

もともとアレルギー性鼻炎がある人は、鼻の粘膜が敏感になっています。
花粉やダニだけでなく、冷たい空気、乾いた空気、強いにおいなど、アレルゲンではない刺激にも反応しやすいのです。
冬に「風邪じゃないのに鼻水が続く」「薬をやめるとすぐぶり返す」のは、このためのことがあります。

鼻水の原因は「いつ出るか」と「ほかの症状」で見分ける

鼻水だけで、原因をぴったり当てることはできません。
でも、ある程度の見当はつきます。

見てほしいのは、この2つです。

  • どんなときに出るか(寒い場所だけ? 一日中?)
  • ほかに症状があるか(熱は? 咳は? くしゃみや目のかゆみは?)

寒い場所だけで出るなら、寒さへの反応かもしれません。
一日中続いて、熱や咳も出てきたら、風邪を考えます。
熱はないのに、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが何週間も続いたり、目がかゆくなったりするなら、アレルギーも考えます。

鼻水の色も、ヒントになります。

  • 透明でサラサラ … 寒さへの反応、アレルギー、風邪の始まりなど
  • 黄色・緑色 … 風邪の経過中によく見られる色

一度の様子より、数日の流れで見るのがコツです。

夜、横になるとせきが出る。朝起きると、のどに痰がからむ。

そんなときは、鼻水がのどに流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」のことがあります。

せきの出どころが、のどではなく鼻ということもあるのです。

鼻水が止まらないときは「出す・湿らせる・温める」

1. 出す

鼻水はためずに、すすらずに、こまめにかみましょう。

自分でかめない小さなお子さんには、鼻吸い器で吸ってあげてください。
先を奥まで入れすぎず、強く長く吸いすぎないのがコツです。
授乳の前と寝る前に吸うと、飲みやすく、眠りやすくなります。

鼻をかめる年齢になったら、生理食塩水での鼻うがい(鼻洗浄)もおすすめです。
鼻水といっしょに、ダニやホコリなどのアレルゲンも洗い流せます。
真水だとツーンと痛むので、体液に近い塩分濃度の専用の洗浄液を使いましょう。

2. 湿らせる

部屋の乾燥を防ぐと、鼻が楽になることがあります。

湿度は40〜60%くらいが目安です。
上げすぎると、ダニやカビが増えやすくなります。
蒸気が出るタイプの加湿器は、子どもの手が届かない場所に置きましょう。

加湿器がなければ、濡れたタオルを部屋に干すだけでも違います。

3. 温める

温かいタオルを鼻のまわりに当てるのも、ひとつの方法です。

電子レンジで温めたタオルは、外は平気でも中が熱いことがあります。
いったん広げて冷まし、大人の手首の内側で確かめてから当ててください。
鼻と口はふさがないように。
自分ではずせない小さい子に使うときは、そばを離れないでください。

それでも止まらず、眠れない・集中できないなど生活に困るときは、お薬を使うこともあります。
原因によって治療は変わります。

アレルギー性鼻炎があるなら、ステロイドの点鼻薬や抗ヒスタミン薬がよく効きます。
毎年悪くなる時期が決まっている人は、ひどくなってからではなく、悪くなりそうな時期に早めに使い始めるのがコツです。
「鼻水くらいで受診していいのかな」と思ったときこそ、気軽に相談してください。

鼻のかみ方、このNG2つに注意

特に避けたいのは、この2つです。

  • 両方の鼻を一度にかむ
  • 力いっぱい、強くかむ

両方いっしょに強くかむと、鼻水が鼻の奥や耳のほうへ押し込まれることがあります。
強くかみすぎると、耳が痛くなったり、鼻血が出たりすることもあります。

片方ずつ、ゆっくり、やさしく。 これが正解です。

鼻の下が荒れないように、やわらかいティッシュを使うのもおすすめです。

横になると鼻がつまるのは、本当です

夜になると鼻がつまって眠れない。
これは気のせいではありません。

横になると、鼻の粘膜の血管に血液が集まって、粘膜がふくらみます。
そのぶん、空気の通り道がせまくなるのです。

大人や大きい子は、上半身を少し起こして寝ると楽になることがあります。

赤ちゃんは別です。
1歳ごろまでは、枕を使わず、かための平らな寝床に、あおむけで寝かせてください。
丸めたタオルやクッションを頭や背中の下に入れて傾けるのも、窒息の危険があるので避けましょう。
寝る前の鼻吸いも助けになります。

受診の目安

すぐに受診してください

  • 息が苦しそう(ゼーゼーする、肩で息をする、息を吸うと胸やのどがペコッとへこむ)
  • 鼻がつまって、ミルクや母乳が飲めない
  • 生後3か月未満で、38℃以上の熱がある
  • ぐったりしている、水分がとれない、おしっこが少ない

早めに受診してください

  • 鼻水・鼻づまりが10日以上たっても、よくなる気配がない
  • いったんよくなりかけたのに、また悪くなった(熱が出直した)
  • 熱が3日以上続く
  • ほおやおでこが強く痛む
  • 耳を痛がる、耳だれが出る
  • 子どもの片方の鼻からだけ、においの強い鼻水が続く

鼻水が長引き、副鼻腔炎(ちくのう)が疑わしいときは、鼻の奥をくわしく診られる耳鼻科をご紹介することもあります。

今日からできること

  1. 鼻水が「いつ出るか」「熱や咳はあるか」を、数日メモしてみる
  2. 鼻は片方ずつ、やさしくかむ
  3. 部屋の湿度を40〜60%に保つ
  4. 赤ちゃんは枕やタオルで頭を上げず、寝る前に鼻吸い器で吸う

よくある質問

Q. 黄色や緑色の鼻水が出たら、抗菌薬(抗生物質)が必要ですか?

A. 色だけでは決まりません。黄色や緑色の鼻水は、ふつうの風邪の経過中にもよく見られます。10日たってもよくならない、熱や顔の痛みが続くなど、経過とほかの症状をあわせて判断します。

Q. 「寒暖差アレルギー」は、アレルギーの薬で治りますか?

A. アレルギー反応ではないので、アレルギーの飲み薬は、花粉症ほどは効かないことがあります。対策の基本は、急な温度変化を減らすこと(マスク、首元を温める、部屋ごとの温度差を小さくする)です。ただし、2歳未満の子にはマスクはつけません。症状がつらいときは、点鼻薬など、症状に合わせたお薬を使うことがあります。
市販の「鼻づまりがすぐ通る」タイプの点鼻薬は、使い続けると、かえって鼻づまりがひどくなることがあります。子どもには年齢制限があり、多くの製品は7歳未満には使えません。箱の注意書きを確かめ、自己判断で使わないでください。
また、「寒暖差のせい」と思っていた鼻水が、ダニなど本当のアレルギーだったということもあります。
くわしくは「寒暖差アレルギー」とは?もどうぞ。

Q. 子どもが自分で鼻をかめません。どうしたらいいですか?

A. 鼻吸い器で吸ってあげてください。かめるようになってきたら、片方の鼻を押さえて、もう片方をゆっくりかむ練習から始めましょう。

家で吸いきれないときは、受診のときに「鼻も吸ってほしい」と伝えてください。クリニックの吸引の器械で吸うことができます。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸(こばやし としゆき)|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。子どもからおとなまで、家族をまるごと診られる町の医師でありたい。診察室で「聞いてよかった」と言ってもらえた話を、ここに書き残しています。 お問い合わせはこちら

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