片頭痛に悩まされている方
片頭痛は、日本人の11人に1人が持っているというごくありふれた病気です。20~50代の働き盛り世代に多いのも特徴です。
頭痛発作はとても辛く、いつものように日常生活・社会生活を続けることはできません。
しかし、片頭痛の辛さは、本人にしかわかりません。
「また、頭痛で休むの?」
「頭痛なんかで受診したの?」
「サボりたいだけじゃないか?」
「頭のCTは異常ないので気のせいですよ」
などと言われ、医療機関を受診せずに一人で悩み我慢する方や医療機関を受診しても二度と来ない方、市販薬を常用し頭痛が慢性化してしまう方もいます。
「寝ていれば治るし、病院に行くのは億劫だし、どうせ薬は効かないし。」「仕事は休みずらいし」「でも、辛い」と悩んでいる方のお役に立てればと思います。
✔ 本記事の内容
- 片頭痛の症状は様々
- あなたは片頭痛?片頭痛の検査
- 片頭痛は痛い時に飲む薬と予防薬があります(漢方薬が有効)
- まとめ
偏頭痛の患者さんはとても辛い症状で悩んでいます。
急に目がチカチカしたと思ったら、次は頭がズキズキ痛み出す。動くと痛みが一層ひどくなるので動けなくなります。
音にも過敏になるので、静かな部屋で寝込むことになります。仕事も家事もできません。
発作は最大で72時間ほど持続するので3日間くらい寝込んでしまうのです。とても本人にとって辛い病気です。
その他にめまい、吐き気・嘔吐、首の痛み、視覚症状、疲労など色々な症状があります。
偏頭痛発作中の方は出勤もままなりません。就労者の欠勤や早退による年間の経済損失は2880億円にものぼるそうです!この数値は腰痛に続く第2位です。ちなみに第3位はうつ病です。
片頭痛を診断する際は、最大の情報源に問診がなります。片頭痛を検査する方法はないのです。
しかし、頭痛の原因になる別の病気がないか調べることはとても大切です。まずは、脳神経外科あるいは神経内科を受診した上で頭部CTやMRIで頭痛の原因にとなる病院がないか調べてください。
自分の頭痛が片頭痛かどうかを調べる簡単な自己チェックシートがあります。
- 拍動性
- 持続時間(4-72時間)
- 片側性
- 吐き気
- 何もする気が起こらなくなる
以上のうちで4つ以上当てはまったら片頭痛の可能性が極めて高いといわれております。ご活用ください。
片頭痛の治療薬にはいろいろとあります。痛みのピークが早い方、疼痛がわりと長い方などそれぞれに対して治療薬が選択されます。
同じ薬剤であっても、人によって合ったり合わなかったりするがあります。
頭痛が始まったら早めにお薬を飲むことがお勧めです。時間が経つほどお薬が効きづらくなることが知られております。
頭痛発作時に使用する薬 | 特徴 |
イミグラン錠剤・点鼻薬 | 嘔吐が強い方、即効性を望む場合 |
ゾーミッグ錠剤(口腔内崩壊錠あり) | 頭痛のピークが早い方、口腔内崩壊錠は水なしでも飲めます。 |
レルパックス錠剤 | 副作用が気になる方 |
マクサルト錠剤(口腔内崩壊錠あり) | 頭痛のピークが早い方、口腔内崩壊錠は水なしでも飲めます。 |
アマージ錠剤 | 頭痛が長い方、再発する方(作用時間が長い) |
発作の頻度が高い(月に2回以上)、頭痛の程度が重度、急性期に使用する薬剤を飲むことができない・効果がない、月経関連頭痛などの場合には予防療法をするという選択もあります。
予防薬も色々とあります。効果が出てくるのに2か月ほどかかる薬剤もあります。頻繁に生活に支障が出るようであればトライしてみる価値があると思います。
頭痛予防で使用される薬剤 | 特徴 |
ミグシス錠 | |
デパケン | |
インデラル | |
呉茱萸湯 | 慢性の頭痛全般に有効、特に冷え性の人に有効。味は不味い。 |
五苓散 | 雨の前の頭痛(気圧の低下で誘発) |
釣藤散 | 朝の頭痛、頸肩こりのある人、動脈硬化(中高年) |
偏頭痛はごくありふれた病気ですが、日常生活を妨げる病気です。
頭痛発作の頻度が少ない方は発作時に内服をして、頻回に頭痛が起こる方は予防薬を服用して発作の頻度を減らすようにした方がよいと思います。