見えない殺し屋PM2.5
もしも、自分がPM2.5の真っただ中にいるとしたら・・・
「テレビや新聞でPM2.5って聞いたことはある。いま、飛んでいるの?体に悪いの?飛んでいたとしても体に害がある程ではないでしょ!」
実は、PM2.5は年中、日本には漂っています。特に3月~5月に多くて、今週末はPM2.5が大量に飛んでくることが予想されています。もちろんPM2.5が有害じゃなかったら、こんな記事は書きませんね。
✔ 本記事の内容
・PM2.5って何?
・PM2.5ってどうやってできるのだろう
・からだへの影響はあるの?
・防ぐ方法
PM2.5って聞いたことはあるけどピンと来ないヒトはたくさんいると思います。空気中にただよっている粒状の物質のうち、直径が2.5マイクロメートル(1マイクロメートルとは千分の1ミリメートル)以下のものです。あまりに小さすぎてイメージしづらいですよねー。髪の毛の1/30程度の大きさです。
PM2.5の正体は炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩のほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどの無機元素などですが、あまり馴染みがないものばかりですよね。
.工場から出る煙や自動車の排気ガスなどのように物が燃えた時に出されるものや土壌や火山、黄砂など自然に由来するものがあります。
また、大気に出された時にすでに粒子となっているものと、出された時は気体であって、大気中で化学反応を起こして微小粒子化するものがあります。家庭においても、喫煙や調理、ストーブなどからも発生します。けっこう、色々なところに発生し、意外に身近な存在なのです。
PM2.5はとても小さいので、風に乗ってやすやすと海を越えてやってきます。中国の大気汚染は深刻な問題ですが、中国からは大量のPM2.5がやってきます。
同じように黄砂も中国からやってきます。黄砂は直径が1-30μgです。黄砂の中でも、直径2.5μm以下のものはPM2.5にカウントされます。
大ありです!
PM2.5は髪の毛の30分の1くらいの微小粒子のため、肺の奥深くまで入ってしまいます。そのため、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患に影響したり、肺がんのリスクを高めたり、循環器系へ影響します。
一日平均濃度が10μg/m3増加するごとに、死亡全体では0.29〜1.12%、循環器系疾患による死亡は0.47〜0.85%、呼吸器系疾患による死亡は1.67〜2.20%、それぞれ上昇します(米国環境保護庁)。PM2.5の濃度が高くなるほど死亡リスクは高まります!怖いです。
ただし、もともと呼吸器系や循環器系の疾患のある方、小児や高齢者ではこれより低い濃度でも健康被害の可能性があります。
まずはPM2.5の飛散状況を知ることが大切です。
・そらまめ君
・PM2.5予報(twitter)
で調べましょう。70μg/m3を超えると警戒注意が出るようです。僕はTwitterでフォローしてます。
対策~1日平均値70μg/m3を超えている日
・手洗い、うがい
・屋外での長時間の激しい運動を避ける、外出を減らす。
・窓を開けない!
・マスク
・空気清浄機(効果については機器による)
マスクの効果は限定的です。マスクの穴はウイルス(新型コロナウイルスを含む)、PM2.5は容易に通過します。
脱線しますが、コロナウイルスで話題のマスクですが、咳のあるヒトは水分を含んだウイルス(=飛沫)を出します。これはマスクの穴を通過しません。咳のあるヒトは、周囲にウイルスを拡散しないためにマスクが必要です。
PM2.5の対策は新型コロナウイルス予防と似ていますが、換気だけは逆になります。どちらを優先するかはその時の状況次第です。