ぜん息とは
私たちが口や鼻から空気を吸うと気管を通って最後は肺に行き着きます。この空気の通り道が気道です。
ぜん息のお子さんは、気道に何らかの刺激が加わると気管の壁が収縮して空気の通り道が細くなります。この狭くなった気管の内側の粘膜は炎症をおこしてむくんでいたり、痰がべっとりとくっついているため空気が通りにくくなっているのです。
狭くなった気道をつかって無理矢理、呼吸をしようとするため、狭くなったところを空気が通るためヒューヒュー、ゼーゼーという音が鳴ります(ぜん鳴)。これがぜん息の発作です。
ぜん息の発作は、夜や明け方に多く、外来のやっている日中に来院された場合には症状は良くなっていることが多々あります。「ぜいぜい」していると思ったら、すかさずスマホで動画撮影してください!そして、外来で呼吸音を確認させてください。
ぜん息発作が起きていないときでも、実はぜん息患者の気道では炎症が続いています。この長く続く気道の炎症がぜん息の特徴です。炎症で傷ついてしまった気道の粘膜が治っていくのにはとても時間がかかります。またちょっとした刺激でも簡単に発作を起こしてしまいます。
ぜん息の発作を繰り返すと徐々に気管支が固くなることがありますので、発作を起こさないようにすることが大切です。
お子様は成人と違い、言葉で症状を伝えることができないので、泣いたり機嫌が悪くなることで、ぜん息を訴えてくることがあります。
ぜんそくの原因
喘息のお子さまにはアレルギー体質があることがとても多いです。ホコリの多いところに行くと咳が出たりするのは、ダニなどに対するアレルギーによっておこる場合が多いです。
その他にも喘息を起こす要因はたくさんあり、お子様によっても異なります。運動や冷たい空気などの刺激でぜん息の発作を起こすこともあります。
ぜんそくの発作が起きたら
ぜん息発作がおきてしまったら、まずは痰などが絡まないようにこまめに水分を摂らせてください。
咳こんで吐いてしまうことがありますが、痰がとれて楽になる場合もあります。
気管支拡張薬など、発作時の処方を受けている場合にはそれを使ってください。
ぜん息発作の時は仰向けに眠るよりすこしからだを起こしているほうが楽に呼吸ができます。小さい子の場合はたてだっこしてあげると、楽になることが多いです。
ぜん息の薬物治療
喘息治療は、「症状が起こらないように毎日行う長期治療」と「症状や発作が起きた時に行う治療」に分けられます。
喘息は「毎日治療を続ける」ことが大切です。炎症で傷ついてしまった気道の粘膜が治っていくのにはとても時間がかかります。風邪やハウスダストなど炎症を引き起こす刺激が加わると、再び症状が現れてしまいます。そのため、毎日、根気強く治療することが大切です。
当院では必要に応じてスペーサーの販売や吸入器の貸出・販売をしておりますのでお気軽にスタッフまでお申し出ください。