新型コロナウイルスワクチン
2020年は新型コロナウイルスで始まり、新型コロナウイルスで終わった感じでした。そして、2021年に至っても猛威をふるい続けています。
3密を避けたり、こまめに手指消毒をしたり、飲食店の時短営業をしたりとみんなで必死に対策をしているところですが、決め手に欠ける状況ですよね。Go To トラベルが中止になったり、一都四県で緊急事態宣言が出されたりと暗い話題が多い中での光明が新型コロナウイルスワクチンです。
新型コロナワクチンのうち、ファイザー社/ビオンテック社とモデルナ社いずれも90%を超える予防効果と言われております。
あまり、馴染みのないワクチンだと思いますので現状でわかることを説明します。
本記事の内容
✔新型コロナウイルスワクチンはどんなワクチンか?
✔実用化された場合の接種内容
新型コロナウイルスワクチンはm(メッセンジャー)RNAワクチンという新しいタイプのワクチンです。その仕組みを説明するために新型コロナウイルス(一本鎖RNAウイルス)の増殖を例に説明します。
ウイルスは自分を増やすための設計図(DNAやRNA)とそれが壊れないように守るための殻からできています。殻の表面にはトゲトゲ(スパイク蛋白)があります。
ウイルスは自分の力で増殖することはできません。ウイルスのできることは宿主(感染先)細胞に感染することだけです。
まず、コロナウイルスはトゲトゲを使って、宿主細胞に引っ付きます。続いてコロナウイルスは細胞の中に取り込まれていきます。
コロナウイルスは、細胞内に侵入を果たすと、ウイルス自身は分解されてしまい、ウイルス内にあるRNAが細胞の中に放出されるます(脱殻といいます)。
リボソームは設計図であるRNAの遺伝情報を読み取って、タンパク質を作るところです。
ウイルスのRNAは自分自身の設計図ですが、ウイルスのRNAがリボソームのところに行くことによって、宿主細胞はウイルスそのものをずっと作っていく羽目になり、最終的にウイルスは爆発的に増えた状態で細胞の外に放出されることになります。
新型コロナウイルスワクチンは、コロナウイルスの殻の表面のトゲトゲ(スパイク蛋白)の設計図(mRNAといいます)を膜で保護したものです。
mRNAは非常に壊れやすいため、このような保護膜で包みこんだり、有効性を保つために冷凍した状態で運搬や保管することが必要なのです。
ワクチンを接種すると、人体内の細胞の中に取り込まれ、設計図(mRNA)が細胞内で放出され、リボソームに伝わり、その設計図の通りにスパイク蛋白を作り出します。その後にmRNAは分解されてしまいます。
ヒトの免疫は、このスパイク蛋白が体の中で増えてきたことに気づき、これを攻撃を始めます。ヒトの免疫は、スパイク蛋白の形を認識し、将来コロナウイルスが現れた時に備えて記憶します。つまり、免疫がつくことになります。
(2021年1月時点のお話です)
2021年の春くらいからワクチン接種を始めようと準備中です。例えば、ワクチンの輸送、保管には、ドライアイスを用いた超低温での保管が必要になることが見込まれており、その準備などが急ピッチで進んでおります。
日本で確保を見込んでいるワクチンについては、2回接種の想定で準備を進んでおります。ファイザー
のワクチンは、21日間隔、モデルナのワクチンは、28日間隔で接種する必要があります。
また、新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種は強制ではありません。接種を受ける方の同意がある場合に限り接種を行うことになります。
重度のアレルギー反応や重症の発疹などを起こす可能性は低そうです。倦怠感、頭痛、局所の腫れ、筋肉痛、関節痛などの生活に支障のない範囲の副作用はわりと頻度は高いようです。
今回の2つのコロナウイルスワクチンは、小児が対象とはなっていません。当面16歳以上での接種が検討されているようです。
健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づき、必要な救済措置が講じられます。救済制度についてはこちらをどうぞ。
接種できる場所はまだ決まっていません。費用は公費負担となる見通しのようです。
「残念ながら、(ワクチンの)持続期間と免疫を巡る疑問点を明らかにするには時間がかかる」(米製薬大手ファイザーのウイルスワクチン開発責任者)とのことです。
感染終息まで、数か月毎に接種が必要なのか、毎年接種が必要となるものなのか、生涯1回接種したらよいのかなどについてはまだ時間がかかるようです。