頭痛、めまい・・・「風邪かしら?」。意外と身近な一酸化炭素中毒
一酸化炭素中毒は、一酸化炭素を吸入したことによって症状を起こした状態です。冬は一酸化炭素が発生する状況が揃っている上、一酸化炭素中毒の初期症状は軽い頭痛や吐き気やめまいといった風邪とも思えるような症状です。
皆様の周りでも起きうる病気ですので、知識を共有したいと思います。
不完全燃焼では一酸化炭素が発生するといわれます。
ガスが燃焼するには新鮮な空気(酸素)が必要ですが、閉めきった室内において換気を行わずに機器を使用して燃焼していると、酸素不足になります。このように酸素不足の状態で燃焼することを不完全燃焼といいます。
この場合には、大量のすす(黒煙)や一酸化炭素が発生します。
北海道の冬は寒いので、閉め切った室内で過ごすことが多いと思います。また、暖房器具をつけるので、不完全燃焼がとても心配な状況が揃ってきます。
整備不良の暖房器具も一酸化炭素発生の原因です。みなさんのご家庭にある暖房器具は整備されていますか?
本来、血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運んでいるのですが、一酸化炭素は、酸素に比べると抜群の相性でヘモグロビンをくっついてしまいます。なんと約200倍も結びつきやしといわれております。
そのため、酸素がヘモグロビンと結合できなくなり、身体の臓器に酸素が行きわたらなくなり、全身が酸欠状態に陥ってしまいます。これが一酸化炭素中毒です。
一酸化炭素は無色・無臭で気が付きにくいのが特徴です。
一酸化炭素中毒の初期の症状は頭痛、めまい、嘔気といった風邪にも似たありふれた症状なので注意が必要です!
同じ部屋にいる同居者にも同じような症状が現れる可能性がある点に注目です。
高濃度では短時間で死に至る可能性もあります。
一番恐れられている合併症が遅発性神経障害です。一酸化炭素中毒の患者さんの3〜40%に発症すると考えられおります。高次脳機能障害(記憶障害、健忘、感情失禁、うつ、歩行障害など)を認めます。
一酸化炭素中毒は身近に起きうる疾患です。暖房器具の取り扱い、整備には注意しましょう。
初期症状は風邪とも見間違う頭痛やめまい、嘔気といった症状です。そのような症状は同室者にもみられる可能性があります。
閉め切った室内での石油・ガス・炭の燃焼には注意が必要です!疑ったらすぐに換気しましょう。