3歳までに気づいてあげたい!50人に一人は「弱視」である話
「弱視」という言葉は聞いたことがありますか?あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、小さなお子さんにとってはとても大切なお話です。
「弱視」とは、「視力が悪い」ということとは少し意味合いが異なります。
今回は「弱視」とはどういうことか、最近当クリニックで導入したら検査を紹介します。「弱視」は早期発見し早期に治療を受けることが大切です。
目次
・「弱視」とは
・子どもの目の成長
・「弱視」原因と気づくポイント
・「弱視」スクリーニング検査
・スポットビジョンスクリーナーの紹介
・まとめ
「通常の教育をうけるのが困難なほどの低視力」という意味で一般的に使われていますが、医学的には「視力の発達が障害されておきた低視力」を指し、眼鏡をかけても視力が十分でない場合をさします。
日本弱視斜視学会
「弱視」は、子どもの頃に何らかの理由で物をはっきりと見ることが出来なかったため、目から入った映像を認識する脳の成長が止まってしまった状態です。残念ながら、メガネやコンタクトレンズで矯正しても視力が出ません。
小さなおこさんは自分が物をよく見えていないことを自分で説明することはできませんよね。しかも、ある程度大きくなったとしても、生まれてからずっと見え方が悪いと自分がきちんと見えているかどうかもわかりません。
「弱視」があっても、よっぽど重症でないかぎりは、見にくそうにしている幼児はあまりいないのです。とくに片眼だけ悪い場合はなおさらです。
そのため、成長の過程で周囲の大人が気がついてあげなければなりません。
出生直後の赤ちゃんの視力は0.02くらいです。月齢とともに少しずつ物の色や形が分かるようになります。4か月ぐらいで動くものを追うようになり、4歳くらいまでに視力は1.0程度になり、6歳ごろまでに機能が完成します。
「弱視」は、目の成長が妨げられ視力が発達しないことです。早期に発見して、4歳以下で治療を開始すれば、子どもの弱視の95%が改善するといわれています。治療は早ければ早いほど高い効果を期待することができます。
「弱視」には、どんな原因があるかというと、
- 両目に強い遠視や乱視があって常にピントが合わないので、目の奥にはっきりとした映像がうつらない
- 左右で大きく見え方が違う場合
- 黒目やその奥に濁りがあり邪魔になる場合
- 視線がずれていつも片目で見ている場合
などがあります。
例えば
- テレビを観るとき、いつも近付いていて見ている。何度、言ってもいつの間にか近づいている。
- 転びやすい、物にぶつかりやすいので、よくケガをする。
- 本を読むのが苦手で、行を飛ばしてしまったりする。
- ものを見るときに首を傾けている
- 視線が合わない
- 片目を隠すと嫌がる
- 物をみるときに顔をしかめたり、目を細くしたりする
- 上目づかいで物をみる
このような症状があったら注意が必要かもしれません。眼科受診をおすすめします。
南22条おとなとことものクリニックでは生後6か月から検査可能な専用の機器(スポットビジョンスクリーナー)を導入しております。
気づくポイントを紹介はしましたが、弱視は重症でない限り日常生活の中ではわかりづらいと思います。ぜひ一度検査をしてみることをおすすめします。
スポットビジョンスクリーナーで、近視・遠視・乱視・不同視・斜視・瞳孔不同の6つの弱視の危険因子を検知できます。あくまでスクリーニング検査ですので確定診断のためには眼科医師の診察が必要です。
検査時間は約2秒間ほどです。
室内を暗くし、機械を見て頂くだけです。小さなお子さんでも検査しやすいように興味を惹きつける光や音が発せられます。検査に痛みや苦痛はありません。
検査費用は1回500円(自費)となります。検査結果より、眼科受診をお勧めします。当クリニックでは治療を行っておりません。
検査の目安は生後半年〜5歳です。この時期でなくても、ご両親から見て「見えにくそうにしている」などの様子があれば、いつでも検査可能です。早めに気づいて治療を始めることが大切です。
なぜ、スポットビジョンスクリーナーを当クリニックで導入したかというと、新しい機器を持っているという当クリニックの宣伝のためではなく、お子さんが訴えることのできない目の症状を可能な限り早く発見し、治療につなげることができれば、そのお子さんの将来に役立つと考えたからです。一人でもそのようなお子さんを助けることができれば本望です。
検査を実際にやってみると驚くほどに短時間で簡単な検査です。是非一人でも多くのお子様に検査して頂き、より適切な時期での治療を受けていただきたいと思っております。