新型コロナウイルスの流行と子どもの関係
新型コロナウイルスが首都圏を中心に感染が拡大しております。いつ感染が落ち着くのか、感染抑制の切り札はワクチンなのかなどと色々と考えてしまいますが、新型コロナウイルスが流行り、小児科の外来も様変わりしましたので紹介します。
本記事の内容
✔ 小児の感染症が激減しました
✔ 予防接種、健診が控えられている
✔ こどもの新型コロナウイルスの特徴
みなさんの参考になればと思います。
みなさんもうすうす感じているかもしれませんが、本来であれば流行るはずの感染症が今年は流行りません。
夏に流行るはずのヘルパンギーナや手足口病を始めとしてRSV、伝染性紅斑、感染性腸炎もあまり流行しませんでした。インフルエンザウイルスも激減です。当クリニックでも今シーズンはインフルエンザウイルスはいまだ一人も確認されておりません。
これはすごいことです。こんなことは初めての経験です。
ただ、突発性発疹だけは例年と大きくは変わらなかったようです。
原因はいくつか想定されております。例えば、不要不急の外出制限、一斉休校した影響、手指消毒の徹底、マスク着用の勤行、海外との渡航制限です。
流行性疾患が流行らないのはとても良いことですよね!今年の流行性疾患はどうなるのか注意してみていきたいと思います。
これはよくないことです。健診が控えられことで本来であれば見つけることのできた体重増加不良のお子さんや低身長のお子さんの発見が遅れたり、経験豊富な保健師さんのアドバイスを受ける機会を逸することもあるからです。
また、予防接種の出荷本数が減っております。昨年と子どもの数は大きくは変わらないはずなので、接種を逃しているお子さんが多くいらっしゃるということになります。肺炎球菌やヒブでは致命的な経過をたどることもありますし、麻疹や風疹が流行したら大変なことになります!予防接種の遅れがあるお子さんの親御さんは可能な限りでキャッチアップすることをお勧めします。
インフルエンザウイルスなどと違って幸いなことに新型コロナウイルスでは成人に比べると患者数が少ないことが特徴です。全体の1-6%くらいです。僕も3人の子どもを持つ父親なのでこれは助かる話です。病気で苦しむ子どもをみるのはとても辛いです。
感染経路は家庭内が圧倒的です。まあ、子どもは単独では外出しませんし、夜の街やススキノにくり出すことも少ないので当然でしょうね。
子どもでは幸い軽症なことが多いと言われております。その中で2歳未満のお子さんでは比較的重症化しやすいようです。主な症状は以下です。
・無症状
・発熱、乾性咳嗽などの上気道症状
・嘔吐、腹痛、下痢といった消化器症状
・嗅覚や味覚の症状は少ない
・日本では報告がないのですが、全身の血管炎をきたす報告があります。
血管炎といえば川崎病です。症状は川崎病に似ていますが、新型コロナウイルスの場合には年齢の中央値が約10歳と川崎病と比較して年齢が高いようです。
新型コロナウイルス流行下ではいつも流行るはずの感染症が流行りませんでした。また、お子さんは家庭内感染が主な感染様式であり、新型コロナウイルスかかっているかは地域の成人の流行状況に大きく左右差されます。
幸い、新型コロナウイルスにかかるお子さんは数が少なく、症状も軽症例が多いようです。
コロナウイルスが流行し、健診や予防接種が控えられおります。予防接種は徐々にキャッチアップを考えましょう。