猛暑の皮膚トラブル「あせも」
赤ちゃんの体に赤いブツブツができて、かゆがるという相談が増えております。北海道も蒸し暑くなってきて、汗をかくことが多くなり、「あせも」の症例が増えてきました。「あせも」は医学用語では汗疹(かんしん)と呼びます。
今日は汗による皮膚トラブルで「あせも」の話です。
✔本記事の内容
・汗疹の原因
・水晶様汗疹
・紅色汗疹
・深在性汗疹
・汗疹の予防法
汗をかいたときに汗を排出する管(汗管と呼びます)が一時的につまることによって、汗がスムーズに排出されないことで起こるトラブルです。
私たちの体には、汗腺という汗を出すための器官が分布しています。
さらに、汗腺にはエクリン腺とアポクリン線の2種類があります。暑いときに体温調節をするための汗は主にエクリン腺から分泌され、このエクリン腺が何らかの原因でつまってしまうと「あせも」ができます。
「あせも」は汗が大量に出る高温多湿の環境下や、発熱・スポーツ時に起こりやすくなります。
また、湿布や包帯、ギプスの装着などで通気性が悪くなってもあせもができやすくなります。
汗管の詰まる深さで症状が違い、3つのタイプがあります。
皮膚の一番外側にある角質で汗管が詰まります。白っぽい透明な小さな(1-2mm)水ぶくれができます。赤み、かゆみや痛みはありません。何もしなくても自然と汗がひくと一日から数日で治ります。
赤ちゃんの顔にできやすいですが、大人でも発熱する病気の際に発生することもあります。
一番多いタイプです。汗管のつまりが、表皮部分で起きたときに起きます。
1~3ミリの大きさの湿疹や水泡がたくさんできます。皮膚が赤くなります。かゆみが出ることが多いです。乳幼児や肥満の人、汗かきの人に多い症状です。
新生児は汗管の発達が未熟なので、水晶様汗疹や紅色汗疹にかかりやすいです。赤ちゃんの「あせも」とおむつかぶれはよくあるトラブルです。
汗管の詰まりやすさには左右差はないので、「あせも」は左右対称に起きることが多いです(もちろん片側だけのこともあります)。
真皮内で汗管がつまったときにできます。深在性汗疹が発症するとその部分では汗が外に排出できなくなり皮膚が青白くなって盛り上がった状態の発疹があらわれます。比較的まれです。
汗をかいたときに放置しないことが最も大切!
こまめに汗を拭いたり、着替えたり、お湯で洗い流しましょう
他に、
涼しい環境に移動して汗をかかないようにする。
通気性の良い衣類を着て皮膚の閉塞を防ぐ。
炎症をおさめるためにステロイド軟膏を塗る。
感染を併発している場合には抗菌薬を投与するといった対応があります。