インフルエンザと風邪の違い、注意点を解説します
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを原因とする気道感染症です。小さい子供や高齢者など免疫力が低い人は、肺炎やインフルエンザ脳症など合併症を起こし重症化したり、死に至る可能性もある病気です。
インフルエンザの性質を知り、正しく対処しましょうね。
本記事の内容
✅ インフルエンザの潜伏期や初期症状
✅ インフルエンザの予防法
✅ インフルエンザの対処法
✅ 新型インフルエンザウイルスとは
インフルエンザの症状は高熱と全身のだるさ、筋肉痛などの全身症状です。続いて、のどの痛み、咳、鼻汁などの上気道症状があらわれます。
高熱が数日持続し、1週間程度で回復します風邪に比べて急激に発症し、全身症状が強いのが特徴です。
インフルエンザウイルスの感染を受けてから数日(1~3日ほど)の潜伏期間のあとに症状があらわれます。
例年11月下旬~12月上旬にかけて流行がはじまり、翌年1月~3月頃にピークを迎え、4月~5月にかけて徐々に減少していくパターンを示しことが多いです。
インドネシアやシンガポールのような赤道直下では年間を通じて流行しており、夏場に輸入感染症として発症することもあります。
特に流行時期にインフルエンザにかからないために、日ごろから意識しておきたい予防法を紹介します。
流行シーズン前にワクチン接種を受けることが基本です。
インフルエンザワクチンには感染を完全に予防する効果はありませんが、感染してしまった場合でも重症化を予防する、症状を抑える効果が期待できます。
特に、高齢者の方や基礎疾患を持っている人は、重症化するリスクが高いため、インフルエンザワクチンの接種が推奨されています。
手洗い・手指消毒は、新型コロナウイルス感染予防のため、常識的な行動になってしまいました。
不特定多数の人が触れるモノは、さまざまな細菌、ウイルスが付着している可能性があり、それを介してインフルエンザを体内に侵入させて可能性があります。
このような接触感染を防ぐために、こまめな手洗い、消毒を習慣にしましょう。
空気の乾燥は気道粘膜の防御機能を低下させます。室内では加湿器などを使用して適切な湿度を保ちましょう。
まt、インフルエンザウイルスは低温も好みます。湿度を保っていても室温が低いと、ウイルスの生存率が高まってしまいます。
室内の適温は18~20℃、湿度は50~60%がベストと言われております。身近な室内環境を整える目安にしてみてください。
また、部屋を閉め切っていると空気が入れ替わらないため、適度に換気を行うようにしましょう。
インフルエンザにかからないためだけではなく、人にうつさないためにも咳やくしゃみが出るときには、マスクを着用しましょう。
マスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆うなど咳エチケットをこころがけてください。
バランスよい食事、十分な休養、疲労を避けることもとても大切な感染予防対策です。日常から気をつけてお過ごしください。
インフルエンザは一般的な風邪より症状は重たいとは言ってもインフルエンザにかかったかどうかを自分で判断するのは難しいです。インフルエンザに感染した疑いがあると思ったら、早めに医療機関に受診するようにしましょう。
発熱直後のウイルスが少ない時期は正確に診断できないことがあります。疑わしい場合は翌日に検査を再度行うこともあります。
インフルエンザの治療には、症状を緩和する対症療法とウイルスを増やさない抗インフルエンザ薬があります。
✔️ 対症療法:発熱・咳・痰などに対して症状を和らげる治療を行います。水分をとることが難しい場合には点滴治療をすることもあります。
✔️ 抗インフルエンザ薬:通常、発熱後2日以内に使用します。発熱期間を24時間ほど短くすることがあると言われております。インフルエンザに抗生物質は効きません。
インフルエンザにかかったら、自宅で安静に過ごししっかりと休養をとりましょう。睡眠不足は体力や免疫の低下にもつながるので、規則的で十分な睡眠をとることが大切です。
発熱時には体内から多くの水分が失われます。脱水症状をおこさないために水分を十分に補給することをこころがけます。食事が摂れそうであれば、野菜スープや雑炊、おかゆ、うどんのような胃腸に負担の少ない食事がお勧めです。インフルエンザの際には胃腸にもストレスがかかっていることがあります。
小児のインフルエンザでは、インフルエンザ脳症とは別に、異常行動が約10%にみられます。ほとんどが発熱1~2日目にあらわれ、1~2日間で軽快すると言われております。
具体的にいうと、
・突然立ち上がって部屋から飛び出そうとする
・興奮して、部屋を駆け回ったり、意味のわからないことを言う
・興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
といった行動をすることがあります。
過去には、抗インフルエンザ薬と異常行動の関係が疑われたこともありましたが、異常行動は抗インフルエンザ薬が使用されていなくても報告されています。
小児・未成年者がインフルエンザと診断され、治療を開始してから少なくとも2日間は、異常行動による事故を防ぐために、自宅で一人にならないように注意してください。
A型のインフルエンザはその原因となるインフルエンザウイルスの性質が小さく変化しながら毎年世界中のヒトの間で流行しています。
新型インフルエンザでは、この性質が大きく異なり、多くの国民が免疫を獲得していないことから、全国的に急速にまん延します。
通常、インフルエンザウイルスは、ヒトからヒトへといった同種の間で感染します。しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる(変異する)ことによって、今まで、ヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスが、ヒトへ感染するようになり、そしてさらにはヒトからヒトへ感染するようになります。
新型インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスがトリ・ブタ・ヒトなどの体内で変異することにより発生する可能性が高いと考えられています。
最近では2009年に新型インフルエンザ(新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルス)が発生しました。しかし、世界に流行が拡がり、多くのヒトが免疫を獲得するにつれ、この新型インフルエンザも、季節的な流行を繰り返すようになってきました。
新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルスについても、2011年4月からは、季節性インフルエンザとして取り扱われております。