新型コロナウイルスはなぜこんなに早く広まったのか?~風疹にも共通する、その注意点とは。
2020年に新型コロナウイルスは瞬く間に世界中に広がりました。
2020年1月3日に中国武漢市に滞在中に発熱を認め、帰国後の1月6日に日本国内のクリニックを受診された患者さんは、1月15日に新型コロナウイルスの確定診断がなされ、日本国内で検知された新型コロナウイルス感染症第一例目となりました。
それから一年経ち、令和3年1月29日0:00現在で、日本国内では377,364名の陽性者、死亡者は5,450名にのぼります。世界全体で1億109万8771人となりました。亡くなった人は世界全体で218万867人です。
感染が広がった原因は色々あると思いますが、風疹にも共通する注意点があるのでご紹介します。
問題です。
強毒なウイルスと弱毒なウイルスとではどちらが感染は広がりやすいでしょうか?
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それは弱毒なウイルスです。
ウイルスに感染して症状が軽いか症状が無いは短時間でウイルスは広がりやすいのです。
症状がとても軽いあるいは無い人の場合には、自分ではウイルスに感染していることに気がつかないので、あちらこちらに出歩いてしまいます。
買い物にも行くし、会社にも行くし、会社の上司に出張に行けと言われれば、どこへでも出張に行けます。
新型コロナウイルスはかかっていても症状が出ない(不顕性感染)の方が多いと言われており、それが感染を広めている原因の一つだと考えられています。
症状が重たいヒトの割合の多い感染症の場合には、ヒトは活動ができなくなるので感染はそれほど広まりません。
風疹はお熱や発疹、リンパ節が張れることが特徴であるウイルス感染症です。
風疹は、感染していても、症状のないヒト(不顕性感染)が約15-30%もいると言われております。また、症状があっても微熱や軽い発疹が短期間だけ出るだけといった軽微な症状で終わるヒトもいます。
だから、風疹に感染していても、ヒトは活動を止めずに動き続ける可能性があります。
風疹は怖くないし、子供の病気だと思っている方もいるでしょう。
しかし、最も問題なのは、妊婦さんが感染し、お腹の赤ちゃんの発育に影響が出てしまうことなのです。
特に、妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹にかかると、おなかの赤ちゃんが目や耳、心臓に障害が出る「先天性風疹症候群」で生まれる可能性があるので要注意です。
風疹は、2013年(14,344人)の流行以降、2014年 319人、2015年163人、2016 年 126人、2017年91人と減少傾向でしたが、2018年は 2,941人、2019年は2,306人と増加の兆しがあります。
新型コロナウイルスも風疹もかかっていても症状が出ないヒトや症状が無いヒトがいるので広めやすいというお話でした。
PCR検査などの検査をしても100%診断できるとも限りません。症状があったらお休みする、マスクを着用するといったヒトに広めないような感染予防をしていくことが大切ですね。