「私の飲んでいるサプリメントは効果がありますか?」「飲み続けて大丈夫ですか?」
時々、患者さんから「私の飲んでいるサプリメントは効果がありますか?」「飲み続けて大丈夫ですか?」というご質問を受けることがあります。
実は僕も最近になってサプリメントを飲んでいて、ほとんどがプロテインです。プロテインは実にたくさんの種類があり、効果もさることながら味も様々です。
プロテインの効果には
・必要なだけのたんぱく質を、必要なときに素早く摂取することができる
・カロリーや脂質を抑えやすい
・体に吸収しやすい形
といった効果があります。しかし、飲む人によっては害にもなります。例えば腎臓の悪い人では腎障害を増悪させてしまいます。
その他のサプリメントについてもいくつか注意点があるので紹介します。
まずは、そのサプリメントのラベルは正確なのか注意が必要です。日本でも先日、薬の設計図通りに作られていない薬剤による事件が起きました。
サプリメントには、記載されていない医薬品や生理活性剤を含んでいるという事件が頻繁に発生していることに注意しなければなりません。
ある医療(行為、薬)が本当に人のために役立つのかどうか考えるときには、エビデンス(根拠)がしっかりと証明されているかがとても大切です。サプリメントについては、どうでしょうか。
一般的な薬剤では基礎研究から非臨床(動物)試験を経て、臨床試験を実施します。第1層試験~第3層試験まで実施されます。
第3層試験では、たくさんの人を対象にして、本物の薬と偽の薬を飲むグループに無作為に分けて、その人がどちらを飲んでいるかわからない状態でどのような効果があったら比較します。このとき調べる側も、本物の薬なのか偽薬なのかわらかないようにします。多くの人ではっきりと差が出て初めて、この薬の効果が証明されるのです。
その後に、承認審査を受けます。製造・販売後も製造販売後調査を受けます。新薬が誕生するまでの道のりは遠く厳しいものです。
医師が処方する薬剤はこの過程を経た薬剤を処方しているので自信を持って処方できますが、ほとんどのサプリメントには質の高い研究における科学的な根拠がありません。だから、たいていの場合にはお勧めはできないことが多いのです。
患者さんには、服用しているお薬として、サプリメントを飲んでいることで気になることがあれば医師に質問してください。ラベルを見たり、調べたりすることによって有効性、安全性に基づいて、サプリメントの使用または回避についてアドバイスできる可能性があります。
サプリメントを利用することを決めた時には、副作用を含めた効果や弊害がないかどうか体調をチェックしてください。場合によっては血液検査も検討した方がよいかもしれません。
たいていのサプリメントの摂取を控えることをお勧めします。
例外として妊婦さんにお勧めしたいのは葉酸と鉄剤です。
葉酸摂取によって胎児神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症など)予防が可能です。また、妊娠をすると、赤血球の原料となる鉄分を赤ちゃんに分け与えるため、妊婦さんが貧血になりやすくなります。その場合には鉄剤を補給は大切です。