間に合います。テレワーク中の深部静脈血栓症。
新型コロナウイルスの感染が未だ終息しないため自粛要請が延長されました。テレワークをする方は減らないのではないかと思います。
テレワークにはメリットもありますが、長期のテレワークに伴う問題点もあります。
長期にわたるテレワークの問題点
・運動不足による筋力低下
・ノートパソコン等の使用に伴う眼精疲労や手指、肘、肩、首の痛み
・深部静脈血栓症
・不適切な騒音・気温・湿度・照明
・集中力低下(子ども、妻、老親などの同居家族)
・将来に対する不安
身体的な問題から心理的問題まで様々なことが予想されておりますが、もちろんヒトや環境によってどんな問題点に出会うかは違うので、個別にリスクを下げるように行動した方がよいです。
今回は致命的な経過をとる可能性がある深部静脈血栓症のお話です。
✔本記事の内容
1.深部静脈血栓症はどんな病気か
2.どんな人がなりやすいか
3.新型コロナウイルスと深部静脈血栓症の関連
4.深部静脈血栓症の予防法
足から心臓へ血液を戻す血管(静脈といいます)の中に血の塊(血栓といいます)ができる病気です。足の膝から下にできる場合には大きな問題とならないことが多いのですが、それより上の血管に血栓ができた場合には、できた血栓が肺に飛んでしまうことがあるのでとっても危険です。肺血栓塞栓症と呼ばれています。
血栓を溶かしたり、飛ばないようにしたりする治療が必要になりますし、血栓ができやすい持病がないか調べる必要もあります。
どんな症状が起きるかというと、足のむくみ(片側だけが多い)、むくんでいる方の足の痛みが起きます。肺に血栓が飛ぶと胸の痛みや息切れが起きます。
長時間の座位(旅行や災害)、寝たきり、肥満、妊娠、加齢、悪性腫瘍、感染症、整形外科術後など様々なことで血栓ができやすくなります。
医学的には、血流のうっ滞、血管内皮細胞障害、過凝固状態が原因(Virchowの3徴といいます)です。
東日本大震災や西日本豪雨で長期間にわたる避難生活を強いられた方、特にご高齢の方はいったん避難所に移動してしまうと座りこんでしまう方が多く、深部静脈血栓症が増えました。
新型コロナウイルスは、全身の凝固活性化と血栓症を引き起こす可能性があるとの報告が相次いております。肺血栓塞栓症による死亡も増えるそうです。
Incidence of Venous Thromboembolism in Hospitalized Patients With COVID-19
急激な体調変化、死亡の原因の一つに深部静脈血栓症があるのかもしれません。新型コロナウイルスのホットな話題です。
テレワークであっても、長時間の座位は避けましょう。普段から早朝の歩行と積極的な運動をすることで予防できます。これからの時期は気温が上がり脱水を起こしやすくなります。水分をこまめにとることも大切です。弾性ストッキングを巻く方もいます。
次回以降でテレワークに伴う健康被害の他の問題点について考えたいと思います。