国民の2000万人が罹患?~緊張型頭痛
頭痛は外来を訪れる患者さんの主訴の中で最も多いものの一つです。当クリニックにも頭痛を訴える患者さんが来院されることがあります。本日は非常に患者数の多い緊張型頭痛の紹介です。
頭痛にはさまざまな種類があります。「国際頭痛分類」では300種類を超える頭痛があると言われております。
頭痛は、大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
機能性頭痛とも呼ばれ、頭部にはっきりとした原因や疾患が見当たらない頭痛を認める疾患です。
一次性頭痛の代表的なものには片頭痛、緊張型頭痛、 群発頭痛があり、本日は、この中でいちばん有病率が高い緊張型頭痛のお話です。
一次性頭痛の日本における有病率は、片頭痛が人口の5〜10%、緊張型頭痛が人口の約20%です。4人に1人の方が頭痛に悩んでいるということになり、とても多い訴えです。
他の疾患が原因となり起こる頭痛のことで、脳に炎症や出血、梗塞、腫瘍などが見つかります。二次性頭痛にはくも膜下出血をはじめとする生命を脅かす多くの疾患が含まれます。
頭部全体、前頭部、後頭部などさまざまで、原則的には両側性です。
同じ姿勢を長時間取り続けるような身体的ストレスや精神的なストレスが関係していると考えられています。
典型的には頭が圧迫されるような頭痛で、非拍動性です。患者さんは帽子をかぶったような、重い感じ、違和感といった表現をされます。
体動による増悪は目立たない。軽度から中程度で、日常生活には支障はないことが多いです。片頭痛では寝込んでしまい、日常生活に支障を来たし、体動で悪化します。
10-50台の女性に多いと言われております。持続時間ははっきりしません。なんとなくあったりなかったりします。
基本的はありません。これも片頭痛と対照的です。片頭痛では吐き気、光過敏、音過敏、匂い過敏といった症状を伴うことがあります。
痛みの起こる日数により分けられます。30分~7日間持続する頭痛が月15日未満の反復発作性緊張型頭痛と月15日以上の慢性緊張型頭痛に分けられています。
鎮痛薬が基本ですが、慢性緊張型頭痛の場合には予防薬を使用することもあります。