子どもの病気

小さな戦士たちの敵:ヘルパンギーナとの戦い

現在、小児では色々な感染症が流行ってきております。

先日、自分の3歳の子どもがヘルパンギーナにかかってしまいました。「のどがからい、のどがからい」といって熱が出てきました。子どもの症状の表現はときに心を和ませてくれますよね。

ヘルパンギーナは一般的に自然治癒する病気ではありますが、症状が辛いため、子どもが苦しんでいる様子を見るのは親として心苦しいものですね。

ヘルパンギーナは三大夏風邪の一つで、ほかには「手足口病」「アデノウィルス(咽頭結膜熱)」があります。コロナ流行期には感染対策の効果のためか大きな流行はありませんでしたが、今年は外来でもすでにちらほらと診断されるケースを見かけます。大きな流行になる可能性が指摘されています。

【感染症情報】ヘルパンギーナが4週連続で増加 - RSウイルスも

ヘルパンギーナ

乳幼児に多く見られる夏風邪です。5歳以下が全体の90%以上を占め、1歳代がもっとも多いです。

ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱があらわれることを特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。

流行時期

ヘルパンギーナは、毎年5月頃より増加し、7月頃にかけてがピークです。8月頃から減少を始め、9〜10月にかけてほとんどいなくなります。

原因ウイルス

ヘルパンギーナはウイルスによってかかります。主に、コクサッキーウイルスA群が原因ですが、ウイルスの型がいくつかあるので、何度もかかってしまうことも珍しくありません。

大人に感染して発症することもあります。

症状

潜伏期間は、2〜5日です。

突然、39℃以上の熱が出て、1〜3日つづきます。

それと同時に、のどが赤く腫れて小さな水ほうがたくさんできます。大きさは1-5mmくらいです。水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になります。

のどの痛みが強いので、食事や飲みものを摂取できなくなって、脱水になることもあります。入院の原因となる場合にはこの脱水であることが多いと言われております。

たいていは軽症ですむのですが、ごくまれに髄膜炎、急性心筋炎といった合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。

ヘルパンギーナにかかってしまったら

特効薬はありませんが自然治癒する病気です。抗生剤は効きません。発熱や口内炎に対しての治療をします。解熱鎮痛剤をうまく使っていきましょう。

トラネキサム酸や桔梗湯が処方されることがありますが、それほど効果は高くありませんので少しずつ水分をとらせながら時間がたつのをまつことになります。

のどに痛みがあるので、オレンジジュースなどのような刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。アイスもお勧めです。

学校などは出席停止になりますか?

ヘルパンギーナはインフルエンザや新型コロナウイルスのように出席停止の扱いにはなりません。熱が下がり、食事がしっかりととれるようになれば、登校可能です。

ヘルパンギーナの感染経路

ヘルパンギーナは、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、舐めて唾液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることで感染する「接触感染」、ウイルスの入った食べ物や飲み物を口にすることで、ウイルスが体内に入り、腸で感染する「経口感染」が主な感染経路です。

予防法

ワクチンはありません。感染力は発熱やのどの痛みが強い時期に最も高いですが、2〜4週間にわたってウイルスが便から排出され続けるため、感染の危険があるので発症後1ヶ月程度は注意が必要です。

手洗い、環境消毒を徹底しましょう。便中にウイルスが排出されるため、おむつなどの排泄物の処理には、使い捨てゴム手袋を利用するなどし、十分に気をつけましょう。

さいごに

子どもが病気になった時は親として不安な気持ちになることも多いと思いますが、ヘルパンギーナは一般的には自然に治癒します。しっかりと対症療法を行い、子どもの体調管理に努めてください。

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