子どもの病気

風邪の原因ウイルスを探る難しさとその背後にある理由

子どもが風邪をひくと、ご家族は原因を突き止め、最善の治療を受けさせたいと願います。

最近は風邪が非常に流行っており、やっと治ったかと思ったら次の風邪風邪を引くということを繰り返してしまい、風邪の原因となるウイルスを特定するために医療機関に足を運ぶご家族は少なくありません。

問診表の主訴の欄に考えられるすべての検査をして欲しいという記述されていることもあります。しかし、残念ながら風邪の原因を特定するのは容易ではありません。なぜそうなのでしょうか。

まず、風邪の主な原因となるのはウイルスで、これには数百種類が存在します。人間が感染するウイルスの大部分はライノウイルス、コロナウイルス(一部が新型コロナウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどです。

これら全てのウイルスについて特定の検査を行うキットはありません。その理由としては、まず、風邪の症状が似ているため、特定のウイルスを疑う材料が少ないこと。さらに、多くの風邪ウイルスに対する特効薬が存在しないため、原因ウイルスを特定しても治療方針が大きく変わることが少ないのです。

特定のウイルスを検出するための検査は時間とコストがかかることが多く、大量の患者に対してそれが実用的でないことが多いのが現状です。そのため、医療現場ではウイルス感染が疑われる場合には、重篤な症状を示す場合を除き、一般的な風邪の症状に対する対症療法が主に行われます。

検査をして確認できるウイルスは多くありません。新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)やインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、RSウイルス、溶連菌、ノロウイルス、ロタワクチン、アデノウイルスなど一部のウイルスに限られます。

医療現場としては、患者やそのご家族がどのような検査が可能で、それがどの程度の意味を持つのかを理解してもらうことが重要な役割となるかと考えております。

子どもが風邪をひいた際は、パニックにならず、適切な休息と栄養を確保することが大切です。

そして、症状が重篤である場合には、医療機関に連絡を取ることが重要です。風邪の原因を特定することは難しいかもしれませんが、適切なケアと対応で、子どもの健康はしっかりと守られることがほとんどです。

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