院長のつぶやき

自分の足の痛み、場所を間違えていました

📅 2026年10月4日 (1日前に公開)

〜その道の人に、見てもらう〜

アキレス腱が痛い。
ずっと、そう思っていました。

押してもらったら、アキレス腱は確かに痛かったのですが、もっと痛みが強かったのは足の裏でした。

痛みの原因も足底の硬さが原因で、マッサージや電気治療、青竹踏みで改善しました。

毎日、患者さんの身体を診療しているのに。
自分の体は、なかなかわからないものです。

こんなこと、ありませんか。

「どこが痛いですか」と聞かれて、
指で「このへん」としか言えなかったこと。

痛いところをさすっていたら、
本当に痛いのは、少しずれた場所だったこと。

子どもに「どこが痛いの?」と聞くたびに、
答えが変わること。

なぜ、自分の体なのに分からないのでしょう。

原因は、知識が足りないからではありません。
体の深いところの痛みは、
皮膚の痛みのようには、場所がはっきりしないのです。

痛みが、別の場所に出ることもあります。
「放散痛」と呼ばれるものです。

たとえば心臓の病気では、
胸ではなく、左腕や背中が痛むことがあります。
歯の痛みとして感じることもあります。

(参考:国立循環器病研究センター「虚血性心疾患」)

自分のことほど、客観的に見られない。

自分の体を、外から見てもらう3つのコツ

  1. 場所を、言い切らずに伝える
    「このあたり」で十分です。最初に場所を決めてしまうと、話がそこに寄っていきます。
  2. 押して、聴いて、確かめてもらう
    言葉で伝えきれないことは、手や聴診器のほうが確かです。
  3. その道の人に見てもらう
    私の足の裏を見つけたのは、毎日、人の足に触れて確かめている人でした。

「ゼーゼーしていないから、風邪」とは限らない

喘息で通っているお子さんを連れて、ご家族が来られました。

「ゼーゼーしていないので、ただの風邪だと思います」
風邪薬をご希望でした。

聴診器を当てると、
息を吐き切るところで、笛のような音がはっきり聞こえました。

ご家族の見立てが、雑だったわけではありません。
耳では届かない音だった。それだけです。
私の足の裏が、押されるまでわからなかったのと同じです。

誤解
ゼーゼーが聞こえないから、喘息ではない。
本当のところ
喘息の発作でも、ゼーゼーがいつも聞こえるとは限りません。
誤解
音が小さいほど、軽い。
本当のところ
とても重い発作では、空気がほとんど通らず、かえって音が聞こえなくなることがあります。

(参考:MSDマニュアル家庭版「小児の喘息」)

息が苦しそうなときは、ゼーゼーの音がなくても、すぐに受診してください。
夜間や休日は、#8000(子ども医療電話相談)も使えます。

足の裏も、ゼーゼーも、同じことでした。

いちばん近くにいる人ほど、
いちばん見えにくいことがある。

これは、体のことに限りません。

子どものこと。
続いている不調のこと。
うまくいかない、何かのこと。

困っていることがあるなら、
自分ひとりで答えを出しきらずに、
外から評価してもらう。

それは、人に頼ることではなく、
確かめ方のひとつです。

困ったら、
外から評価してもらう。
今日からできること
  1. いま困っていることを、ひとつ思い浮かべる
  2. それを、自分だけで決めずに、その道の人に見てもらう

喘息で通っているお子さんが「風邪っぽい」ときも、一度聴かせてください。ご予約は、Web予約からどうぞ。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸(こばやし としゆき)|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。子どもからおとなまで、家族をまるごと診られる町の医師でありたい。診察室で「聞いてよかった」と言ってもらえた話を、ここに書き残しています。 お問い合わせはこちら

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