📅 2026年9月8日 (3日前に公開)

「この血圧の薬って、一度始めたら一生ですよね?」
診察室で、いちばんよく聞かれる質問のひとつです。
答えを先に言います。
そうとは限りません。
生活習慣病のお薬は、大きく分けて3つのタイプがあります。
① 生活習慣の改善で、減らせるお薬
代表は血圧のお薬です。
日本高血圧学会のガイドラインでは、体重が1kg減ると、上の血圧がおよそ1mmHg下がるとされています。
5kg減れば、5mmHg。
食事の見直しと合わせて、お薬を1種類減らせた方が、実際にいらっしゃいます。
糖尿病でも、体重が減って「寛解」と呼ばれる状態になる方がいます。
中性脂肪も、この仲間です。
お酒と甘いもの、そして体重で上下します。
そこを整えることで、お薬がいらなくなることは珍しくありません。
(出典:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」)
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② 体質だから、続けるお薬
同じ脂質でも、悪玉のLDLコレステロールは話が違ってきます。
食事で動くのは、1〜2割ほど。
残りは体質で決まることが多いのです。
痩せていても高い方、若くても高い方がいらっしゃいます。
体のつくりがそうなっているだけで、努力不足ではありません。
尿酸も同じです。
「肥満でビールを飲む人」というイメージがありますが、
実は日本人の高尿酸血症は、約6割が「尿酸を体の外に出しにくいタイプ」です。
痩せていても、マラソンをしていても、体質でお薬が必要な方がいます。
(出典:日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」。尿酸排泄低下型が約6割、腎負荷型が約1割、混合型が約3割とされています)
そのほか、
- 1型の糖尿病(体でインスリンが作れないため、注射は足りないものを補うお薬です)
- 心筋梗塞や脳梗塞を経験された方(数値が良くなっても、次を防ぐために続けます)
これらも、続けるタイプです。
③ 原因を治せば、いらなくなるお薬
睡眠時無呼吸が原因で、血圧が上がっている方がいます。
CPAPという治療を始めたら血圧が下がって、降圧薬を減らせた方がいらっしゃいます。
原因が別にあるときは、そちらを治すのが先です。
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ひとつだけ、お願いがあります
自己判断で、急にやめないでください。
血圧のお薬を急にやめると、血圧が跳ね上がることがあります。
種類によっては、動悸が出ることもあります。
減らすときは、まずかかりつけの先生に相談してください。
一段階ずつ、家庭血圧や血液検査を確かめながら進めるのが安全です。
血圧には季節の変動もあります。夏に下がって、冬に上がる方もいらっしゃいます。
よくあるご質問
Q. どのくらいで「減らせるか」がわかりますか?
体重や検査の数値が動くまでに、ある程度の期間が必要です。次の受診のときに、経過を一緒に見ていきましょう。
Q. 自分の薬が、どのタイプかを聞いてもいいですか?
ぜひ聞いてください。
最後に
お薬を増やし続けることが目的ではありません。
必要なときはしっかり使い、減らせるタイミングが来たら、一緒に減らしていく。
そう考えています。
「この薬、まだ要りますか?」
そう聞いていただくのは、むしろ歓迎です。
次の外来で、気軽に聞いてみてください。
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