高血圧とは
血圧が正常範囲を超え、それがずっと続いている状態を高血圧と言います。
高血圧は日本人にはとても多い病気で、約3人に1人が高血圧と言われています。
血圧のはかり方
血圧は基本的には手首式ではなく上腕式がお勧めです。肥満などで上腕では血圧が測定できない場合には手首式にしましょう。
1.温かい静かな部屋に薄着の状態ではかります。
2.起床後1時間以内にはかりましょう。排尿後、朝食前、内服前がお勧めです。
3.腕を組まずに椅子に座って1-2分たってからはかります。
4.2~3はかって、平均値を記入してください。
血圧を左右するもの
血圧は、心臓から押し出される血液の量と、血管の太さ・血管壁の弾力性によって決まります。血液の量が多ければ血管の壁には強い圧力がかかり、高血圧になります。また、血管壁がなんらかの理由で収縮したり、血管の壁が硬く細くなると血圧が上がります。また、以下にあげるようないろいろな要因に一時的に血圧が上がったり下がったりします。ご家庭でリラックスした状態で測定することがお勧めです。
血圧を上げるもの
・塩分のとりすぎ
・加齢
・ストレス、緊張、疼痛
・激しい運動のあと
・寒さ(冬)
・外気温の急変
・睡眠不足
・過度のアルコール
・運動不足
・肥満
・体質
・動脈硬化などの病気
血圧を下げるもの
・休養
・十分な睡眠
・運動習慣
・暑さ(夏)
・入浴(ぬるめのお湯で)
・少量のアルコール摂取
どうして血圧が高いといけないの?(←命の危険があります)
高血圧には自覚症状はほとんどないことが多いのですが、なぜ、血圧が高いといけないのでしょうか?
血圧が高い状態を放っておくと、血管にストレスがかかり、動脈硬化が生じて狭心症、心筋梗塞、心不全といった心臓血管系の病気を招き、脳出血、脳梗塞や腎不全の原因となったりするからです。
高血圧の怖いところは自覚症状がないところです。健康だと思っていた人が突然、脳や心臓位など命に関わる病気を引き起こしてしまう可能性があるところです。
人によっては血圧が高いことで肩こりや頭痛、めまい、動悸、息切れ、むくみなどを感じることもありますが、こうした症状は必ず現れるわけではありません。
そのため、たとえ症状を感じなくても血圧が基準値よりも高ければ高血圧と診断されます。収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上ある場合を高血圧と診断します。
生活習慣の改善のポイント
重要な生活習慣は以下の5つです。
1.運動
2.睡眠
3.食事
4.飲酒
5.喫煙
運動習慣はありますか?十分な睡眠はとれていますか?夜更かし、睡眠不足は血圧を上げる要因です。飲酒は、少量のアルコールなら血圧を少し下げてくれますが、飲みすぎると血圧が上がり心臓の負担も増えてしまいます。目安として、1日に日本酒で1合、ビールなら中ビン1本までならよいといわれています。喫煙は血管を収縮させたり血管の壁を傷つけ、動脈硬化の進行を早めるので、合併症の危険がより高くなります。
目標まで下がらないときには薬を服用
生活習慣を見直し、是正しても十分に血圧が下がらない場合は、お薬(降圧薬)が必要です。降圧薬にはいくつかの種類があり、病状に応じて処方されます。
「薬を飲み始めると一生飲まなければいけないからまだ飲みたくない」という方がいますが、高血圧は、自覚症状がなくても合併症が起こることがあり、その合併症を起こさないために薬を飲むことが大切です。
血圧が下がっても安心しないで!
治療を続けていて血圧が安定してきても安心しきってはいけません。高血圧になったヒトは、もともと血圧が高くなりやすい体質ですから、しばらく薬を中止していると、再び高くなることが多いからです。たとえいま薬を飲まずに血圧をコントロールできているとしても、血圧手帳をしっかりとつけて血圧の変化を見逃さないように気をつけてください。
高血圧はありふれた病気です。高血圧が見つかったら、一生ものと考えて気長に自己管理を続けていきましょう。合併症さえなければ、健康な人とあまり変わらない生活を送ることができるので根気強く付き合っていきましょう。