花粉症の到来
北海道でも3月中旬を過ぎると、気温が上がり、春の気配を感じます。しかし、花粉症の人々にとっては、この季節は喜べないものとなります。北海道における花粉症の原因は、3月中旬からハンノキの花粉が飛散し始めるためです。
花粉症は、突然発症することがあり、60歳までに自然に治癒することはほとんどありません。現在、日本人の10〜20%が花粉症であると言われていますが、治療を受けている人はあまり多くありません。しかし、適切な治療を受けることで、症状をかなり緩和することが可能です。
花粉症の基礎知識
花粉症とは、スギやハンノキ、シラカバなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こす疾患です。医学的には、「花粉を抗原とする鼻粘膜および結膜のアレルギー性疾患」とされています。
人間には、体内に侵入する細菌やウイルスなどから身を守るための免疫反応が存在します。しかし、この反応が過剰に出現してしまうことをアレルギーと呼びます。花粉症は、体内に入ってきた花粉を排除しようとする過剰な防御反応が原因となっています。このように、アレルギー反応を引き起こす物質を抗原(アレルゲン)と呼びます。
花粉症の症状
花粉症の症状は、花粉が体内に侵入しやすい鼻や目(結膜)に現れます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や鼻のかゆみ、目の充血、涙目などが主な症状として現れます。
場合によっては、眠気、めまい、頭痛、倦怠感、集中力の低下、イライラ感なども発生することがあります。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的にも落ち込んでしまうことがあります。
花粉症の原因
花粉症患者数は年々増加傾向にあります。かつては若者が多かったですが、最近では小学生の発症も増えています。
原因は確定されていませんが、地球温暖化の影響により花粉が増加し、車や工場の排気ガスが花粉を汚染することで、体内で過剰反応を引き起こすことが考えられています。
花粉症は身体的な不快感だけでなく、精神的なストレスをもたらすこともあるため、注意が必要です。
花粉症になる人、ならない人
花粉症の発症には、個人差があることが知られています。遺伝的な体質が一因とされ、アレルギー反応を引き起こしやすい体質の人は、花粉症にかかりやすいとされています。
また、長期間にわたって花粉にさらされることで、免疫系が過敏に反応し、アレルギーを引き起こすことがあります。さらに、環境汚染も花粉症のリスクを高める可能性があります。
花粉症の症状の重症度
花粉症の症状の重さは、花粉の量、からだの中にある抗体の量、そして粘膜の過敏性によって決まります。粘膜が過敏になっている場合は、少量の花粉でも症状が出やすくなります。
花粉症の時期を快適に過ごす
花粉症の症状はしっかり治療すれば、軽減できることが多いです。症状を軽減するためのポイントをいくつかご紹介しましょう。
今年こそは、辛い花粉症の症状に悩まされず、薬による眠気にも負けず、快適な春を過ごしましょう!
先手必勝!
花粉症の治療には、シーズン前からのスタートが重要です。症状が出る前の一週間程度から治療を始めることで、鼻粘膜の過敏性をコントロールし、花粉シーズンが本格化しても症状の出現を抑えることができます。
一方、症状が出てしまうと、すでに鼻粘膜過敏性が進行しているため、治療効果が出るまで時間がかかる場合があります。花粉症を軽減するためにも、シーズン前の治療スタートをお勧めします。
しっかりと服薬する
花粉症の治療に不満を持っている方々の中には、処方されたお薬をきちんと服用しない人が多いことがわかっています。症状がひどくなるときだけ薬を飲み、軽い日は薬を飲まないという方もいます。
しかし、花粉症の症状をコントロールする上で鼻粘膜の過敏性は非常に重要な要素です。過敏性が高まると、改善に時間がかかります。毎日お薬を服用することで、鼻粘膜の過敏性が抑えられ、大量の花粉が飛散する日でも症状が軽減されます。そのため、症状が軽い日でもきちんとお薬を飲み続けることが大切です。
眠気の副作用があるお薬によって、症状がつらくないときにお薬を控えてしまう方もいるかもしれませんが、最近は眠気の副作用が少ないお薬もあります。外来でお薬を変更することを検討してみましょう。
花粉を避ける
あなたのからだへの花粉の侵入を最小限に抑えるため、以下の対策を実践しましょう!
- 毎日、花粉情報をチェックし、花粉の飛散量が多い日は注意しましょう。
- マスク、メガネ、帽子などを着用して、花粉から身を守りましょう。
- 帰宅時には衣服をよくはたいて、室内に花粉を持ち込まないように注意しましょう。
- 喉や目、肌や髪に付着した花粉を早めに洗い流すために、うがい、洗顔、入浴を行いましょう。
- 窓を閉めて、室内に花粉を侵入させないようにしましょう。天気が良くて風が強い日は、特に注意が必要です。また、洗物や布団はできるだけ室内で干しましょう。
- 室内の水拭き掃除をこまめに行い、加湿器や空気清浄器を利用して、花粉の浮遊を減らしましょう。
これらの対策を実践することで、花粉症の症状を軽減することができます。ぜひ、試してみてください!
睡眠、ストレス対策
美しい健康を手に入れるためには、寝不足は天敵です。花粉症の症状を悪化させないためには、十分な睡眠を確保することが大切です。そして、精神的ストレスも症状に大きな影響を与えます。だからこそ、ストレス解消には積極的に取り組んで、心身ともに健康的な生活を送りましょう!