禁煙外来で「やめたい」を支援します
たばこは、体のさまざまな病気のリスクを上げます。
心臓病
肺の病気
がん
たばこは、静かに、でも確実にリスクを積み上げます。
今日1本吸っても、明日すぐ倒れるわけではありません。
でも、その“積み重ね”が未来をつくります。
逆も同じです。
やめた瞬間から、体は回復を始めます。
心臓の負担は軽くなり、血液はきちんと酸素を運び始める。
数週間。数か月。数年。
リスクは、確実に下がっていきます。
年齢は関係ありません。
40代でも、50代でも、60代でも。
「今日やめる」という選択は、未来を変えます。
未来は習慣で決まります。
禁煙は、その中でも最もリターンの大きい習慣です。
保険で禁煙外来を受けられる方
次の条件を満たす方は、健康保険で禁煙治療が受けられます。
◯ 今すぐ禁煙する意思がある
◯ ニコチン依存症テストが5点以上
◯ 35歳以上の方は 「1日の本数 × 喫煙年数」が200以上
◯ 禁煙治療に同意している
◯12週間(約3ヶ月)・5回の診療を必ず受診できること
※過去1年以内に保険で禁煙治療を受けていないことも条件です。
次の方は、当院では禁煙治療をお受けしていません。
・うつ病などの精神疾患をお持ちの方(禁煙により症状が不安定になる可能性があるため)
・妊娠中、授乳中の方
安全を最優先にするための対応です。
該当する場合は、まず主治医とご相談ください。
禁煙外来って何?
禁煙外来は、「気合い」ではなく「医療」でやめる場所です。
ニコチンは強い依存物質です。
意志が弱いからやめられないのではありません。
脳の仕組みが、やめにくくしているだけです。
禁煙外来では、依存の状態を評価し、薬で離脱症状を抑え、医療者が伴走します。
自己流より、成功率は上がります。
こんな人におすすめ
-
何度も挑戦したが続かなかった
-
一人では不安が大きい
-
本気で健康を取り戻したい
-
子どもや家族に影響を残したくない
当てはまるなら、医療のサポートを使う価値があります。
禁煙は、自分の体を守るだけではありません。
受動喫煙のリスクを減らし、家族の未来も守ります。
「自分のため」と「家族のため」
どちらも同時に達成できる選択です。
どうやって進めるの?
禁煙は、思いつきではなく「計画」で進めます。
基本は 12週間・計5回の通院 です。
まず、今の喫煙状況とニコチン依存の程度を確認します。
そのうえで、無理のない禁煙プランを一緒に決めます。
① 初回(スタート)
・これまでの喫煙歴や体調を確認
・呼気中一酸化炭素(CO)を測定(体への影響の目安)
・禁煙を始める日を決める
ここで「いつやめるか」を明確にします。
②~⑤ フォロー外来
・薬の調整
・困っていることの整理
・「吸いたい気持ち」への対処
禁煙は波があります。うまくいかない日があっても、それは失敗ではありません。
修正しながら進める。
それが医療でやる禁煙です。
どんな薬を使うの?
禁煙は「我慢大会」ではありません。
薬を使うと、吸いたい気持ち(離脱症状)をやわらげることができます。
主に使うのは、次の2つです。
薬を適切に使うと、自己流でやめるよりも成功率は高くなります。
□ ニコチンパッチ(貼り薬)
皮膚に貼るタイプの薬です。
タバコを吸わなくても、少量のニコチンを体に安定して補います。
ポイントはここです。
タバコは、「急にニコチンが入る → すぐ切れる → また欲しくなる」
この波が依存を作ります。
パッチは、
ニコチンをゆっくり一定量入れるので、急なイライラや強い吸いたい衝動を起こしにくくします。
そして、数週間かけて量を減らしていきます。
□ バレニクリン/チャンピックス(脳に働く飲み薬)
この薬は、
脳の“ニコチンが効く場所”に先回りして作用します。
タバコを吸っても、「いつもの満足感」が出にくくなります。
つまり、だんだん「吸っても意味がない」と感じやすくなります。
同時に、吸いたい衝動そのものも弱くなります。
我慢で抑えるのではなく、仕組みから弱めるイメージです。
※このタイプの薬(例:バレニクリン/チャンピックス)は、眠気などが出ることがあります。
車の運転をされる方には使用できません。
禁煙で起きる変化(体の反応)
禁煙は「いつか良くなる」話ではありません。
すぐに変化が始まります。
・数分〜数日
血圧や脈拍が落ち着き、心臓の負担が減ります。
・数週間
咳や痰、息切れが軽くなります。体が楽になります。
・1〜2年
心筋梗塞や脳卒中などのリスクが大きく下がります。
・長期的に
肺がんをはじめ、多くのがんのリスクが減っていきます。
遅すぎることはありません。
何歳でも、やめた日から回復は始まります。
費用について(保険適用・3割負担の目安)
禁煙外来は、条件を満たせば健康保険が使えます。
12週間(計5回)の自己負担の目安は次の通りです。
・ニコチンパッチの場合:約13,000円
・バレニクリンの場合:約20,000円
※使用する薬によって金額は変わります。
1日あたりにすると、これまでのタバコ代より少なくなる方も多いです。
成功のコツ
禁煙は、根性論では続きません。
ニコチン依存は「仕組み」です。
だから、仕組みで対処します。
- 計画を立てる。
- 薬を使う。
- 定期的に修正する。
この3つで、成功率は大きく上がります。
医療は、あなたの「やめたい」を現実に変える手段です。




