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かぜ

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かぜ(かぜ症候群)

人生で最も多くかかる病気は「かぜ」でしょう。もちろん私自身も何度も「かぜ」にかかったことがあります。

特に小児科では、受診する患者さんの診断名は「かぜ」が最も多いです。

年齢が低いほど「かぜ」にかかりやすく、2歳未満のお子さまでは、年に6〜8回も「かぜ」にかかることがあると考えられています。そのため、月に1回程度「かぜ」にかかることは決して異常ではありません。

「かぜ」って何?

「かぜ」とは、様々なウイルスによって引き起こされる病気で、主にせき、鼻水、喉の痛みという症状が現れます。病気の原因は、主にウイルス感染ですが、原因となるウイルスの種類は多岐にわたります。

どうして子どもはよく「かぜ」にかかるの?

子どもが「かぜ」にかかりやすい理由は、その原因となるウイルスが非常に多いからです。

実際、「かぜ」の原因となる微生物のうち、約80~90%がウイルスであり、その種類は200種類以上にも及ぶと言われています。

中でも特に多いのはライノウイルスで、おなじみのコロナウイルスにも7種類ある中の4種類が「かぜ」を引き起こすことが知られています。

保育園に通いだすと「かぜ」が増えます

多くの保護者の方が感じているように、子どもが保育園や幼稚園に通い始めると「かぜ」にかかる回数が増える傾向があります。

この傾向は、保育園や幼稚園に通い始めてから2カ月程度がピークで、その後は徐々に「かぜ」にかかる頻度が減っていくと言われています。

「かぜ」の症状はどれくらい続くのか?

「かぜ」の症状が治らず悩んでいる保護者の方もいるかと思いますが、子どもの場合、全体的な症状は通常15日ほどで改善され、咳嗽については25日ほどで90%が改善されると考えられています。

ただ、お薬を飲んでも一週間経っても、6~8割くらいのお子さんの症状が残る場合がありますので、ご注意ください。

「かぜ」の予防法

かぜの予防については、現在根拠のある確固たる方法はありません。亜鉛やビタミンC、Dなどが効果があるとされることもありますが、研究報告はまちまちであり、まだ科学的に証明されたわけではありません。

 

一方で、以下のような一般的な予防方法があります。

・マスク着用:感染した人の飛沫を飛散させることを防ぎます。
・流行期に人ごみを避ける:多くの人が集まる場所に行かないようにしましょう。
・室内の湿度を保つ:空気の乾燥が続くと、のどや鼻の粘膜が乾燥し、ウイルスに対する抵抗力が低下します。
・帰宅後のうがい・手洗い:手や口の周りなど、ウイルスが付着しやすい場所をしっかり洗い流しましょう。
・十分な睡眠・適切な栄養摂取:免疫力を高めるためにも、十分な睡眠とバランスのとれた食事が大切です。

 

ただし、これらの予防方法が完全にかぜを予防できるわけではありません。万が一かぜにかかってしまった場合には、適切な治療を受けることが重要です。また、かぜにかかった際には、感染拡大を防ぐためにも、外出を控えるなど周囲に配慮することが大切です。

かぜの対処法

「かぜ」は、ウイルスによって引き起こされる病気で、自然に治癒する場合がほとんどです。

 

抗菌薬はかぜには効かず、かぜ薬を服用しなくても、時間が経つと治ってしまうことが多いです。

 

ただし、咳や鼻汁、咽頭痛など、症状が辛く日常生活に支障がある場合には、症状を和らげるための治療を行います。

発熱の対応

発熱があるときの対応はよく質問されます。38度を超えたら寝ている子どもを起こしてでも熱さましのお薬を使用したいと思っている保護者さまがいらっしゃると思います。特殊な場合(熱性けいれんの予防をしているなど)を除いては、熱に対してあわてて対応する必要はありません。

熱さましを使用しても「かぜ」のかかっている期間を短くすることはできません。熱さましを使用する目的は一時的に熱を下げることが身体が楽になり食べたり、寝たりすることができるきっかけを作ることです。しっかりと栄養をとって、十分な睡眠をとることが「かぜ」を治す一番の近道です。

熱は体の免疫機能が頑張ってウイルスに対抗しようとしているときです。お子さんが元気に過ごしているときには経過をみていて大丈夫です。

「かぜ」の診断の難しさ

「かぜをこじらす」という経験をされた方がいると思います。「かぜ」の経過中に二次性の細菌感染症を起こして症状が徐々に悪くなることもあります。また、最初は「かぜ」のような症状であっても、他の原因も考えて、血液検査やエックス線検査などが必要となることもあります。症状がしっかりと治っていくのか経過をみることがとても大切です。

さいごに

風邪の特効薬はなく、お子さんの免疫で「かぜ」のウイルスを退治する時間が必要です。その時間をいかに快適に過ごすかが大切です。熱か関節痛で辛そうなら熱さましを使って楽にしてあげたり、せきや鼻汁でつらそうならその対応をしてあげることが大切です。

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