今、イネ科花粉症を診断する意義【←コロナ禍だからね】
シラカバの花粉が終息してほっとしてらっしゃませんか? 油断は禁物ですよ。北海道ではこれからはイネ科の花粉症の時期に入ります。イネ科の花粉症はスギやシラカバに比べたらマイナーかもしれませんが、その症状に苦しんでいるひとがいます。
- シラカバ花粉が終わったはずなのに鼻汁やくしゃみ、目のかゆみがとれない
- イネ科って、どんな植物のことなの?どこに生息しているの?
- イネ科花粉症の対策について知りたい。
こんな悩みを解決できる記事を書きました。イネ科の花粉症のことを知り、しっかりと対策をたてて、花粉症の症状のない快適な生活をおくりませんか? コロナ禍の今、アレルギー検査を求めて来院される方がたくさんいます。 それは、なぜか? それは保育園や幼稚園、学校や職場からコロナ感染ではないのか疑われるからです。鼻汁やくしゃみをしながら登園や出勤は周りから白い目でみられます。 アレルギーがあるなら、しっかりと診断をして治療をすることで安心して登園、出勤することができます。 また、アレルギーのある方は目や鼻にかゆみがあって触ることがあり、それはコロナウイルス感染のリスクが高まります。 北海道では6月からイネ科花粉症の時期に入ります。今だからこそ、しっかりとアレルギー検査を受けて診断、治療へとすすみましょう。
- 目次
- イネ科花粉症の時期
- イネ科の植物
- イネ科花粉症の症状
- イネ科花粉症の対策
イネ科の植物の花粉の時期は、北海道では5月初旬〜9月いっぱいとかなり長いです。 下のグラフの札幌市の過去の花粉観測結果をご覧ください。例年、イネ科(ライトグリーンの線)は5月〜7月が飛散のピーク時期です。
詳細は北海道立衛生研究所、北海道の花粉情報をごらんください。日々の花粉の飛散状況がわかり便利なサイトですよ。
シラカバ花粉の時期はたいてい5月までです。6月になっても花粉症の症状がすっきりしないときはイネ科花粉症の可能性が高くです。イネ科花粉は気温が高くなると飛散しだします!
イネ科の植物にはさまざまな種類があり、お米がとれる稲もイネ科なのですが、イネ科花粉症の原因になるのは、カモガヤやハルガヤ、オオアワガエリ、ネズミホソムギ、オニウシノケグサなどです。これらは牧草として海外から輸入されたのですが、広く利用され、寒さに強く繁殖力があり、今では雑草として日本全国で見かけます。歩道の端や空き地、河川敷などに広く生息しています。
ほかの花粉症と同じようにイネ科の花粉症もくしゃみ・鼻みず・鼻づまりが症状の中心です。比較的、目のかゆみや充血などのアレルギー結膜炎の症状が強く出やすい傾向があります。
カモガヤやオオアワガエリなどのイネ科花粉症の人はメロンやスイカでのどがイガイガすることがあります。これは、花粉と食物のアレルギー物質の構造が似ているためおこります。花粉症があるからといって必ず口腔アレルギーになるとは限りません。口腔アレルギーの原因となる食べ物に熱を加えると症状が軽くなるので覚えておいてください。
花粉症は原因となる花粉に接触しなければ症状が出ることはありませんので、原因であるイネ科の植物が生えている場所に近づかないことが一番の対策です。
イネ科の植物は背丈が1m前後です。背の高い樹木であるスギやシラカバと違って数十mから数百mしか飛びません。そのため、植物が生えている場所には近づかないということが、花粉を防ぐ一つの方法です。とくに、気温が高めでよく晴れた日は要注意です。
イネ科の植物が花を咲かせて花粉を飛ばす前に、草刈りをするのも有効です。ただし、オオアワガエリは地下茎(地中にあり繁殖のもとになる茎)によって数を増やしますので、花粉症を防ぐために庭先や空き地に生えているオオアワガエリを駆除する場合はきちんと地下茎も除去しましょう。
マスクやメガネを装備するのも効果的です。花粉対策に特化したものもあるので、状況に応じて使い分けましょう。
室内への花粉を防ぐためには、洗濯物を部屋干しにするというのもよいでしょう。また、換気を行う際は、夜中や早朝に行うことをおすすめします。こまめなお掃除や空気清浄機も有効です。
- イネ科植物は全国各地でみかけることができますがもちろん北海道にも生息しています。5月〜7月が飛散のピーク時期ですので、シラカバ花粉が終わったのにすっきりしない場合にはイネ科花粉症の可能性があります。
- ネ科花粉症ではほかの花粉症と同じように花粉症もくしゃみ・鼻みず・鼻づまりが症状の中心です。比較的、結膜炎の症状が強く出やすい傾向があります。口腔アレルギー症候群を合併することもあります。
- イネ科の食物に近づかないことが大切です。ほかに花を咲かせる前に刈り取る、マスクやメガネをかける、花粉を家の中に持ち込まないようにすることが有効。
シラカバ花粉症の時期が終わっても、くしゃみや鼻づまりが続く、夏なのに花粉症のような症状が出て、目のかゆみが強いといった症状がある場合にはイネ科花粉症かもしれません。一度、アレルギー検査を受けてみましょう。もちろん当クリニックでもアレルギー検査を受けることができます。
原因となっている植物を突き止めると、飛散する時期や状況に応じて適切な対策ができます。早めの対策で、花粉の時期を快適に過ごしましょう!